「hayakawa」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年02月21日

すごく安定していて読みやすい漫画。しかし、王道作品であるがゆえに、爆発的な面白さは残念ながらない。

良い部分

1 キャラクターが確立されている。

2 現実的な路線なので感情移入がしやすい。

3 絵がうまい。(女性の描写は中々だと思う)

悪い部分

1 選抜編以降の引き延ばし(個人的には完全に蛇足)

2 安定しているがゆえに盛り上がりに欠ける。

3 県大会を飛ばした点

 この漫画はキャラクター一人ひとりにスポットを当てて、なぜサッカーをするのか?という読者の問いにしっかりと答えている。スポーツ漫画においてはこの部分は絶対に不可欠であり、大義がないスポーツ漫画はいくら絵が上手かろうが、技がトリッキーであろうが所詮は駄作である。私のお気に入りのキャラクターは主人公等の所属する桜上水中サッカー部のコーチである松下コーチ、そしてライバルチームの武蔵森中の三上である。私の印象としてはコーチにしっかりとスポットを当てているスポーツ漫画総じて出来がよい。強豪でもなんでもない公立中学になぜ元日本代表のコーチがいるんだという疑問点をなくし、読者が同じ目線で物語を感じることができるようになるためである。キャラクターの描き方に関しては8点を与えてもいいかもしれない。しかし、後半の選抜編以降がいまいち好きになれないので?1点とさせていただいた。

 この物語は体格に恵まれない主人公が(以下将)努力を重ねてプロを目指していく物語である。そのため、選抜に選ばれることは、「努力は報われる」という作品のテーマをしっかりと実現しているといってもいい。しかし、私としては中々上等な選手へと成長したが、プロ(予備軍)には及ばなかった。または、プロになれたかどうかの結末は作中で描かなかった方がよかったのではないかと個人的は感じている。「スポーツは勝ち負けがすべてだ。負ければ何も残らない。だが、いい試合だった。」作中で松下コーチがこのようなことを述べているが、私はこの言葉を作品のテーマとしていれば、サッカー漫画屈指の名作になれたのではないかと感じている。試合の一試合、一試合に真剣に取り組み、たとえプロにはなれなかったとしても、そこで得られたものは計り知れないものである。このような路線で話が進行していれば、つまり県大会を飛ばさずにそこで負けて終わっていればまた違う評価になったであろう。

 

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[投稿:2011-04-12 12:04:04] [修正:2011-04-12 12:04:04] [このレビューのURL]

大のカイジフリークの私としては7、8点あげたいところですが、今の展開ではさすがに無理ですw

 中途半端に引き延ばすなら思いきって長期休載するか、月一連載にしてテンポを上げた方がいいと思います。ゲームプレイヤーのキャラも薄く、内容も特にあってないようなものです。

 満喫行って読む漫画がなければ読むって程度の漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-21 21:36:46] [修正:2011-02-21 21:36:46] [このレビューのURL]

カイジを始めとした福本信行作品が好きな方はかなり楽しめる名作。いわゆる中2病を地で行くストーリー展開は見る者を選ぶかもしれないが、ツボにはまったものは病みつきになって抜け出せなくなる面白さがある。
 以下多少ネタばれを含みます↓

 とあるビルに10年軟禁された主人公が解放されてから物語が始まり、犯人を探していくサイコサスペンスであり、後半は犯人探しから犯人の特定に物語はシフトしていく。どこか影があり、近寄りがたい雰囲気を醸し出す主人公であるが、決して悪人ではなく、むしろ親しい間からは好感をもたれている。そのような人間がなぜ10年も軟禁されてしまったのか?必死で過去の交友関係や出来事を考察していくが全く心当たりがなく、とほうに暮れているところに物語のカギを握る人物が現れ…。

 物語は主に2部構成に分けられており(実際に1部、2部と分けられているわけではないがストーリー展開的には)、1部は上にも書いたが犯人探しのストーリーであり、2部は犯人を特定していくストーリーとなり、当作品は2部からが真骨頂である。ストーリーが進むにつれて主人公が自身の内面について振り返っていくのだが、自身の行動の深層心理に潜む偽善に触れていくにつれて徐々に冷静さを失っていく。

 当作品の魅力は独創的な設定もさることながら、キャラクターの魅力に見出すことができるであろう。影のあるクールな主人公は最高にセクシーであり、犯人も危険なにおいをさらけ出す策士的な存在である。この二人と中盤のカギとなる小学時代の恩師も独自の色を出して作品に重みを出させている。

 ただ、終盤からラストにかけての失速感は否めず、ラストの主人公と犯人の決着もあっけなく終わってしまい、その点が?1点。ラストも敢えて伏線を回収せずに終了したのか、あえて余韻を残すために回収しなかったのかが微妙なところであり、個人的には打ち切りのため無理やり終わらせたものと感じた。しかし、名作であることには変わりはなく、現代の漫画にはない渋さがあるためオススメである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-21 21:22:57] [修正:2011-02-21 21:25:18] [このレビューのURL]