「moka」さんのページ

総レビュー数: 2レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年07月15日

ドラクエやロードス島戦記などで序々に「剣と魔法のファンタジー」といったジャンルが
漫画でも開拓されてきた時代に生まれた、このジャンルの草分け的存在として
知る人ぞ知る、傑作ファンタジー漫画。 1987年連載開始。
月刊コミックNORAの有名作品「マップス」と「おざなりダンジョン」は
連載当時2枚看板と言われていました。
今作はノーラの最長連載作品でもあります。

エルフ・龍・神・魔物が存在する世界を舞台に繰り広げる冒険活劇です。
これらファンタジーの世界観は現在ではやりつくされたテーマですが、
当時はこの世界を見事に漫画として面白くまとめた作品として
現在までコアなファンがついている名作です。
もっとメジャー誌で掲載されていれば、漫画界において広く名作として知れ渡っていたと思われます。


主人公の女剣士モカ、小さいけど頭のキレる盗賊ブルマン、普段ボーッっとして無口だがいざとなると頼れる魔法使いキリマンの
3人組の冒険者たちのキャラクターがとても魅力的で、
それぞれのキャラを生かした掛け合いが
良い笑いと引き込まれる魅力を生んでいます。

特に主人公の女剣士モカは、作品の魅力の全て担うぐらいに良いキャラクターをしており、
読者でこのキャラを嫌いな人はいないのではないかと思えるほどの魅力を放っています。

背景には大きなシリアスストーリーの流れがある中、
主人公の3人は勝手気ままに自由な旅を続けることで
世界や多くの人々と少しずつ接点を持つことにより後に大きな渦に巻き込まれていく流れも話が入りやすく読みやすいです。
出てくるキャラクターも皆個性的でいい。
しかも各章がきっちり単行本1冊で見事な起承転結で終わるのでとてもテンポがよい。
そして終盤は集まったたくさんの仲間達との共闘や、
ラスボスとのタイマン戦闘など熱い展開を見せてくれます。

ファンタジー漫画好きには、必読の作品と言えます。


「おざなりダンジョンシリーズ」といわれる作品群は、その後
「おざなりダンジョン(全17巻)」
「なりゆきダンジョン(続編)(全3巻)」
「なおざりダンジョン(過去編)(全8巻)」
「おざなりダンジョンTACTICS(完結編)(全6巻)」と
2013年にこれまでの伏線をまとめて見事完結に至りました。
おざなりダンジョンでこの世界観を気に入った人は、これら続編も是非オススメです。

正直、主人公3人のキャラクターならまだまだまだ続編作れるんじゃないかなぁ・・
とつい期待もしてしまう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2014-07-15 05:03:17] [修正:2014-07-15 05:08:05] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

最近やっと一気に全巻読みました。
ノーラコミックスではこのマップスと同じく、もうひとつの看板作品だった
「おざなりダンジョン」を追いかけていたのですが、
これまで気になっていながらずっと手に取る機会がありませんでした。
何故もっと早く読まなかったのかと後悔しました。

絵は現代の漫画に慣れてしまった目線で見ると
多少の古さを感じるかもしれませんが、
これは作者自身の絵の個性ととらえられるまでに、たいした時間を必要としません。すぐに慣れます。
ただ最初はその絵の個性の為なのか、
宇宙船同士の戦闘で何が起こっているのがちょっとわかりにくいかなと感じました。
ですが、作品として気になる部分はこれぐらいです。

熱さあり笑いあり感動ありの王道のSF冒険物語展開、ストーリーの壮大さ、テンポの良さ
主人公・ヒロインはじめ個性的なキャラクター達の魅力。
(敵の伝承族のデザインと生贄砲のアイデアには、現在でもこれを越える兵器はあるのだろうかと驚かされた)
数々の見事な伏線の回収。
そしてあれほど大きな風呂敷を広げておきながら
終盤怒濤の展開でその全てを見事に纏めあげつつも
最後にはしっかりと余韻と感動を残してくれる漫画家としての力量。

ダイの大冒険や、うしおととらなど長編冒険ものが大好きな人には自信をもってオススメできます。
漫画好きならば必ず一度は読んでおくべき、傑作SF漫画です。

尚、続編の「マップス ネクストシート」
こちらもマップスと同じく見事なストーリー展開と感動を与えてくれますので是非。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-07-15 04:04:17] [修正:2014-07-15 04:04:17] [このレビューのURL]

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