「くっしい」さんのページ


 この漫画には救済というものはありません。
 だから読後には暗澹たる気持ちになります。
 とは言えただ残酷な漫画かと言えば、そうではありません。
 そこにはやはり人間の営みがあるのです。
 人を救うのも人ですが、人を虐げるのもやはり人なんだなと思います。
 当たり前のことですがこれは普段意識されていることではありません。
 この作者は別にこの残虐性に対して善も悪も評価を付していない様に読めました。安易な正義を掲げないし、悪を礼賛する訳でもないということでしょうか。
 そこの部分は読者がそれぞれに感じ考える領域として残されているのでしょう。
 
 

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-04-16 22:41:36] [修正:2009-04-16 22:41:36]