「くっしい」さんのページ

 
 この漫画はもっと広く知られるべきものだと思います。

 幼馴染の3人は三者三様の苦しみの中でもがき苦しみ、互いを思い遣っているにも拘らず、傷つけ合ってしまう。未来も希望もない中では仕方のないことなのかも知れません。自分の身の回りや人間関係を見渡して、身につまされる思いやホッとする部分など様々なものが去来します。

 時に饒舌、迂遠、大袈裟になる表現の中で狂気とそれに抗おうとする強さや成長が描かれていることに気付き、ハッとさせられます。しかし作者は決してヒロイズムや感傷に逃げず、只ひたすらにその様を綴っているのです。決して安易ではない表現に圧倒されました。

 絶版になっていることが惜しまれます。

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[投稿:2009-04-25 00:50:55] [修正:2009-04-25 00:50:55]