「とろっち」さんのページ

6点 RIDEBACK

突き抜ける。 光が溢れる。
今まで見ていた世界が変わる。
踊りの世界の中でのみ生き、そして踊りの世界にいられなくなった少女が、
ライドバックと出会い、閉塞した世界を輝きを放ちながら駆け抜ける。

作中の世界情勢は作り込みがすごく、かなり練りこまれています。
幾分か穴も見受けられますが、重々しくて濃い独特の作風を演出するのに一役買っているのは確か。
美少女+メカ+軍隊、というのは結構ありがちな設定の気もしますが、
その独特の世界観と詳細なライドバックの設定、スピード感に優れた作品です。

前半から中盤にかけてはかなり面白かったですが、終盤はいまいち消化不良。
作者は主人公の琳にジャンヌ・ダルクのような役割を与えたかったらしいですが、
彼女をうまく乗りこなせず、すっかりコントロールを失ってしまったとのこと。
終盤の琳は、好きな男と一緒に世界統治軍(GGF)に武力を以って抵抗する、単なるテロリストに
成り果ててしまった感があります。
そしてその彼女の変貌ぶりに、置いてけぼり感を(彼女の親友であるしょう子とともに)味わうことに。

巻末のライドバック解説ノートがすごいです。
こんなに凝っているのを見るのは某漫画の聖衣分解装着図以来かも。

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[投稿:2010-09-21 01:10:46] [修正:2010-09-21 01:10:46]