「とろっち」さんのページ

冬目景らしさに満ち溢れた作品。

全体に漂う薄暗くてもやのかかったような特有の雰囲気はこの作者にしか出せないでしょう。
ただ、何か起こりそうだったり、テーマがすごく深そうだったり、よく練られてそうだったりしながら、
結局はそうでもなかったりします。
作者にしては珍しく完結した作品ですが、終わり方については作者の思うとおりに果たしてできたのか。
ちゃんと終わることにエネルギーを注ぐあまり、事前の構想どおり終われたのか甚だ疑問ではあります。

そういう意味でとても作者らしい作品だと思います。
もどかしさ満載と言うか、痒い所に手が届きそうで届かない感じと言うか。
作者の良さだけを知りたいなら他の作品がありますが、良さも悪さも堪能したいならこの作品がお薦め。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-16 00:55:51] [修正:2011-02-16 00:59:56]