「とろっち」さんのページ

とにかく一言。 面白いです。

他の方のレビューにもありますが、史実と虚構とのバランスが絶妙です。
出自不詳の者や「史記」等であまり触れられていない者にもスポットを当てて魅力的な人物に仕立て、
数多くの登場人物を上手く動かしながら、壮大な歴史ドラマを紡ぎ上げていく手腕が抜群。
この作者はスケールの大きな人物を描くのが本当に上手いですね。
どちらかと言えば少年漫画的なノリで、熱量が半端じゃないです。 読んでいて熱くなれる作品。

最近は戦の場面が長すぎたりして、どうもテンポが悪くなっている気がします。
また、一部の超人的な武将が強すぎたりと、歴史ロマンではなく戦場バトルものになりつつあるので、
そこをうまく修正していければ今後比類なき名作になる可能性ありです。

井上雄彦を師匠とするだけあって、絵はかなり上手いと思うんですけどね。
特に戦場のシーンにおいて、あれだけ描き込みが細かいながらもゴチャゴチャせずに読みやすく、
迫力や緊迫感が存分に伝わってくるのは大したもの。
ただし人物の顔、特に目の描写が独特すぎて、そこがお気に召さない人も多いのかもしれません。

この作品の最大にして最強の敵、それは 「読まず嫌い」。
実際に手に取って読んだ人だけが体感できる、古代中国の大河ロマン。
熱い漫画を求めている人にお薦め。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-29 16:45:30] [修正:2011-05-29 16:51:20]