「何某何」さんのページ

かつて一世を風靡した「元」天才漫画家による、
絶望という絶望を絶望的なほど絶望し、
辛酸という辛酸を辛酸以上に舐め尽くし、
地獄という地獄で地獄の地獄を味わい、
そして、
死線という死線を彷徨った末に、
独特の徹底した視線を身につけて、
泥中で生み出した泥のような傑作。

年老い、枯れて、落ちぶれ、失い、溺れて、壊れ、
それでもなんとか不思議に生き残った吾妻氏が描く、
その乾いて冷めて達観した生々しい告白は、
笑えて、驚嘆し、恐ろしくて、勉強になり、
そしてどこか、物悲しげで、虚無的だ。

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[投稿:2009-11-11 15:36:29] [修正:2009-11-11 15:36:29]