「ITSUKI」さんのページ

完全版の方を読了。
絵柄自体は個人的には特に魅かれるものがなかったのですが、こちらでとても気になるレビューがあったので購入しました。
とある高校の漫研部が舞台であり、部員達は皆非常にイタいキャラとして描かれます。
主人公は元運動部の漫画好き。漫画は描けないけど、編集者を目指し、だらけきっている漫研部をなんとか活気づける為に部誌を作ろうと部員達にもちかけます。

そんな中、青木杏という新入部員が登場する事でぬるい日常が揺らぎ始めます。
青木の策略により部員達のイタい自尊心は徐々に傷つけられ、心の闇の部分がこれでもかっと描かれるようになります。
読んでてあまりにもキャラ達がいたいたしく、暗い作品なので、読後感は決して良くなくもやっとした感情が残りました。
読み終えてスッキリ「あ?面白かった!」ってできるタイプの作品ではないでしょう。

ただ人間の持つ嫌な部分を徹底して描いた姿勢は凄いな、と思いました。
またこうやって「作品を批評すること」の難しさと無責任さについても考えさせられました。
「げんしけん」が前向きなオタク達を描いた作品だとすれば、この「ヨイコノミライ」はかなりオタクの嫌な所を描いています。でもこういう一面も確かにある、と共感できます。
再読性は個人的には低いですが、一度読んでみるのはアリだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-28 23:49:46] [修正:2010-02-28 23:49:46]

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