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ひぐらしのなく頃に本編最終章。
7章(皆殺し編)までで明かされた謎に対する一つの正解例というか、全てのサイコロの目がうまく出た時の話というか。
PS2版ではこれとはまた別のストーリーが最終章になっていたりするのであくまで「正解の一つ」なのでしょうね。

原作ですとこの最終章は「カケラ紡ぎ」といって「ひぐらし」の謎を解き明かすキーパーソン達のストーリーがそれぞれ語られるオムニバスがあり、最後にそれがまとまっていくような構成となっています。
なので、話の量は今までと比べると更に多く、様々なキャラの視点から描かれるのでこの「カケラ紡ぎ」は果たしてちゃんとコミカライズされるのか…?と思っていました。
まぁとはいえここまで概ね忠実にコミカライズされていただけあって、カケラ紡ぎも余すことなく漫画化されていてよかったです。
その所為で巻数が過去最長の全8巻という長さで、ひぐらし漫画版(原作分)全8章全30巻(礼を含めると全31巻)なので、四分の一以上を占めるボリュームとなってます。

祭囃し編の特徴は圭一や梨花達「子供」ではなく今までそこまで深く語られることのなかった、大石・赤坂・富竹・入江・葛西等の「大人」達の葛藤と活躍が非常に多い点です。
祭囃し編は大人のカッコよさが魅力です。

「すべてがうまくいく」章なので出題編を読んでいた時のようなハラハラ感よりは、やってくる敵をことごとく打ち倒すワクワク感が得られます。
たかだか小中学生が特殊部隊相手にあれやこれやとやっちゃうのはリアリティがどうとかそういうのは勢いでねじ伏せられます。
ただ相変わらずグロいシーンもあります(特に序盤)。

最終章ということもあって絵は一層気合が入っているというか豪華になっているといか。
最後の方はトーンが物凄いです。
「鬼隠し編」開始から6年も経過しているだけあって本当に見違える様です。
まぁこの作者特有の癖というか変なトコロというかそういうのは相変わらずなんですけどね。

一つの作品のコミカライズを複数の雑誌で複数の作家によって同時展開し、無事最後まで描ききられ、本当に恵まれた作品だなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-01-24 23:28:16] [修正:2012-01-24 23:34:36]

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