「朔太」さんのページ

W杯アジア最終予選において残り三試合だけで9巻にまとめられた作品です。

日本は4位であり、残りサウジアラビア、オーストラリア、
イラン戦を前に、外国人監督に全権を委任して交代する
ところから始まります。
問題は、得点力不足でFWの不在です。
これは2006年頃の本当に日本の悩みだったわけで、とても
リアルな背景になっています。

日本代表チームの和は、エゴイストである主人公FW戌井に
よって乱され、様々な不協和音を生みます。
一方、作者の考えが反映された外国人監督はFWをひたすら支持します。
これに反発しつつ、次第に理解し成長していくチームの過程が見どころですね。

実際のところ、こんなFWが日本に欲しいという熱烈な
サッカーファンである作者の願いが表現されている気がします。
チームプレーもいらない、パス回しも不要、仲良しチームである
必要もない、ただ得点をゲットする結果だけを求めるFWを
あるべき姿として描いています。

ある意味では、長編でありながらたった半年の過程であった
名作「スラムダンク」のサッカー版とも言え、9巻を一気に
読みたい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-02-28 02:32:26] [修正:2017-02-28 02:32:26]

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