「朔太」さんのページ

叶精作にとっては、ほとんどデビュー作品に近いものだったとは驚きである。
とにかく、描画が上手く、欧米人特に金髪白人の美しさが得意と思いきや、
和風美人はさらに魅力的である。
この特異稀な天才的イラスト描画で、人間の美しさを表現する一方で、
小池一夫の一流の脚本が話の展開を際立たせていく。
面白くないわけがない。

当時、GOROという青年向け雑誌は、篠山紀信のグラビア写真と
本作品のお蔭で相当売れたはずである。
本作品を契機に叶は一流漫画家の仲間入りを果たした訳だが、
原点はすべからくここにあった。

今読み返してもこれに匹敵する画力を他の作家に感じないほどであり、
昭和史を代表する一つの作品になったと思う。

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[投稿:2017-04-02 08:33:51] [修正:2017-04-02 08:35:42]

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