「朔太」さんのページ

[ネタバレあり]

主人公の心平は、高校時代に特に実績もないのに、妙にプロ野球選手、投手として自信があって、自身の売り込みでドラフト外で入団します。
本当の実力を隠しているようなんですが、オープン戦も力を発揮できず、開幕戦から出場ってあり得ません。
しかも、抑え投手として出場したとたん、超遅球だとか左右投げとか、だまかしながら14連続セーブという活躍です。
その後はやはり活躍できないのですが、自分の計画の一部であることを匂わせます。
2年目は外野手として活躍するのですが、このままの起用法なら野球をやめると言いながら、その後も首位打者を取るなど投手以上に活躍するのに、ストッパーとしてはルール違反のイカさま投法でゴマかしながら活躍します。
球団職員の手を借りて、飛ばないボールを自分だけ投げるあたりは、少年漫画としては不適切です。今の時代ではあり得ないでしょう。
ここまでは、実は前半までの感想です。

以下は、2/3くらいを過ぎた後、本当の自分の計画という内容が明らかになります。
理想の球団を経営するという夢でした。
ここからプロ野球のとらえ方が変わって、選手集めの話が大半を占めてくるようになります。
ドラフト話や女性選手、ラグビー選手のスカウト、山奥で暮らす世捨て人などです。
球団オーナーが外野手兼投手なのですから,ハチャメチャやりたい放題になりました。
水島先生のこんな球団があったらいいなという思いがベースになったような気がします。

水島作品、特にドカベン、あぶさんは好きな作品ですが、この作品は雑な構成で好きになれませんでした。
水島作品の中でも、面白度ではランクの低い作品だと思いました。
主人公とタイトルの設定に一貫性がないので、共感できないことが原因だと思います。

ということで、至る所にタイトルの違和感を感じるシナリオと共感できない主人公の設定がとても苦い作品でした。

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[投稿:2020-06-01 17:58:54] [修正:2020-06-01 17:58:54]

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