「エピオン」さんのページ


一つ一つのコマの演出が素晴らしく効果的にその本の世界観、作者の読みとった世界を表現していて、こちらもまたマンガのなかにどんどん引き込まれてしまう。

作者はどれだけその本を読みこんでいるのか、とこちらも感心させられ、またそれだけ本を読みこむことがどれだけ美しく、また魅力的な行為であるのかを伝えてくれる。

そんな中で、ただ本の紹介で終わることはなく、主人公の内気な少女が勇気を出した行動をとりながら少しずつ成長していく様子もしっかりと描写されていて、そのことがまた周りの人々を変えていく。そんなありふれた話でもこちらを魅せる力があるからこそ引き込まれ、いつの間にかこちらも少し成長したような、そんな気分にさせてくれる作品だった。

どちらかといえば文学作品に近いものを感じさせるものがあり、作者だけでなく編集者も能力のある人なのではないかと思う。

今後もこんなに濃密な話を書いて、しっかりとした形で完結してくれれば、10点をつけるのに値する作品になると思う。

-1巻まで-

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[投稿:2012-02-06 21:51:46] [修正:2012-02-06 21:51:46]