「臼井健士」さんのページ

中世風のファンタジーの世界観に、絶望的なまでの巨大さを持った巨人を敵として描いた作品。

実は今までになかった切り口だと思う。PS2のゲーム「ワンダと巨像」にインスピレーションを得たのではないかと推察します。
人を喰らう巨人との戦いで、人類は幾重もの高い壁に囲まれた都市に暮らすことでかろうじて生き長らえていた・・・・。

壁の外の世界に何があるのか?多くの人類はそれを知らないまま一生を終えてしまう。
それを潔しとはしない主人公は軍人に志願して、外の世界に巨人の調査に赴こうとするのだが・・・・・。

強大な敵の存在を演出するのに最も効果的なもの。それは只管に「デカイ」ということ。
それは圧倒的なまでの戦力差を演出し、絶望的なまでのレベル差を感じさせることで、主人公たちと共に読者を奈落の底へと突き落とす。

立ち上がり這い上がれと言うのはあまりにも険しい絶壁。
悲壮感ばかりで希望が全く感じられないこの作風に付き合うのは読者も覚悟が求められるだろう。
気持ちよさや爽快感は全くない!

難点はお世辞にも「画力が高いとは言えない」こと。
アイデア光るものの、絵柄みて判りますが「荒削り」です。
その点はご留意下さい。

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[投稿:2010-12-18 12:36:05] [修正:2012-01-03 10:08:50]