「こみっくは」さんのページ



ドラマチックです。この時代の少女漫画にあって、今の少女漫画にないもの、、、それが圧倒的なドラマチックさだと思います。

主人公がドイツの音楽学校で恋をした相手がロシアの革命家であり、次第にロシア革命に巻き込まれていく、大河ロマン。
舞台も国をまたがり移り変わります。

男のフリをしている主人公という点はベルサイユのバラと同じような設定だが、家督争いや、侵してしまったある秘密の為、という男装の理由付けがちゃんとある。

前半はロシア革命とはあまり接点のない音楽学校の学生生活が描かれている。革命だけを期待して読むと、前半の恋愛要素たっぷりの部分で挫折する方もいるかもしれない。しかしサスペンス的要素があり、主人公の秘密がバレるバレないのスリル感がある。また、音楽に対しての学生達の想いも読み応えがある。そして後半への伏線もある。

多くの登場人物がいるが、その誰もが懸命に生きている。
恋愛に対して…、志に対して…、音楽に対して…、生きることに対して、すべてに熱さが伝わってくる。

古い描写が肌に合わない方もいると思うが、そこにうまく溶け込めれば、古い描写だからこその、美しさや熱っぽさが心地良いと思います。
それがあるからこそ、ドラマティカルな世界を堪能できる。

高校の時回し読みをしていましたが、「ベルサイユのバラ」より「オルフェウスの窓」を高く評価している人が多かった記憶がある。

私もオルフェウスの窓の方が好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-17 21:13:13] [修正:2011-01-17 21:13:13]