「kiki」さんのページ

表題作ともう一作がオムニバス形式で他は短編の寄せ集め。
デビュー作品集だけあってそれぞれの短編はだいたい16ページと短め。
衝撃的な展開なんてないし、大半があわいまま終わる恋愛ものなのに。
なのになんでこんな胸にキュンとくるんだろう?

基本的に田舎を舞台にしたのんびりした雰囲気の彼女の作風が好きなのも
あるし、登場人物の小さなコマまでの会話が意外と直球をついてて
面白いのもあるんだろうけど、【淡い心の動き】を上手に表現してるから
だとこの作品集で気がつきました。
恋になる瞬間を描くのが上手すぎる。
「雪みたいに降り積もる」「青という事言葉のない国から」が特に感動しました。
後者は見事に名称と実在の概念に、恋心をかけあわせてるし。
恋心だけでなく人への思いやりにもじんわりきました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-13 15:20:45] [修正:2011-04-13 15:20:45]