「頭突き串の寿司」さんのページ

まさにがらくたの山というような。

主人公(小学生)・姉(中学生)・兄(大学生)それぞれの友達関係を群像劇的に描く
田舎の田園風景のなかでの物語は基本一話完結型で、主人公リントの目線に立ち返ればジュブナイルとも言える
と、いうのが一応の体裁。

というのも、このマンガの真の魅力は
登場人物たち(に喋らせる作者)のオタクっぷり
にある。

小ネタという枠には収まりきらないようなキモオタ要素には目が眩むものの、
「これなんかに使えるんじゃないの」とか言ってがらくたをかき分けていくような
例えるならやったことのないゲームの攻略本とかを読む感じ。
「断片的に攻略法を辿っていくうちに楽しそうだなーって思うんだけど、でもプレイしないことにはその楽しさを味わえない!」みたいな。
小さいときに全く知らないゲームの攻略本をめくっていたような私にはこの作品もかなり楽しめました。

語られるネタとしては
アニメ、民俗学、自転車、野球からレコード、料理など
と書けば食らいつく人はいるでしょうが、この作品においてはそれぞれ
アニメーター(作画)、地方のお祭り、MTBのコーナリングの技術、変化球の理論、フォノイコライジングプリアンプ、完璧な炒飯の作り方
といった感じに一歩踏み込んだ(?)断片的なネタになってしまうので雑学ともまた違ってくる。


これがまた妙な中毒性を持っている。
いくら読んでも分からないものは分からないんだけど。
唐突に語りだす作者の暴走自己チューっぷりにうんざりするか、
もしくはマニアックさにツッコミを入れながらでも楽しめるか、
どちらか。

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[投稿:2012-03-29 17:34:25] [修正:2013-02-28 18:57:20]