「勾玉」さんのページ

[ネタバレあり]

短編連作形式の物語が好きだ。
それぞれが独立した話でありながら
その実、全ての話が僅かな接点で地続きに繋がっている、
そんな交錯していく登場人物たちの人生にロマンを感じるからだ。

さて、この漫画だが全4編からなる短編連作である、
タイトルにもなっている最初の話「星守る犬」はとても物哀しく心をえぐるが、
2巻の最後まで読み終えた時、ほんの少し、本当にほんの少しだが
最初の話でえぐられた痛みが和らいだ。

すでにあの世へ旅立った彼、その彼と同じ姿をした犬が、
彼と同じ名前を持った犬と生きて邂逅する、それだけでなんだか少し救われた気がした。
ただただ悲しいだけの話で終わらず、因果を感じさせてくれるのも
短編連作の魅力の一つだ、この漫画はそれを十二分に活用している秀作だと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-03-12 20:38:12] [修正:2020-03-12 20:41:08]