「p-mcgoohan」さんのページ

前作「ちさポン」が伝説的なクソ漫画となった同作者の次作。
もしこの作品が遺作となっていなければ、
逝去したにも関わらず送られた作者へのバッシングや誹謗中傷は数倍になっていただろう。

今作は全てにおいて、不可解な点や矛盾が無い。
よくもまぁ両想いでありながらこれほどの悪循環が続いたものだという感じ。
中盤に主人公の早とちりによって、結ばれつつあった2人の関係は崩壊寸前となった。
しかし今回は主人公にもヒロインにも、ヒロインを奪いに来た因縁の男にも、そういう状況になった明確な動機がハッキリなされているし、正当性がある。

前作では性犯罪者の言い訳が漫画史上最大級にありえないものだった。
にも関わらず、裏切り者や性犯罪者を全員が全員擁護。
何の非も無い主人公だけが云われも無い誹謗中傷と侮辱を受ける。
矛盾だらけで理不尽満載だった。

それに比べると今回はマトモ。
心理描写を綿密に描いており、そこには一部の隙も矛盾も無かった。

ただ、残念ながら主人公の高校時代からの先輩は本気で邪魔。
そいつが主人公を殴りつけたシーンがあったけど意味がわからない。

ヒロインは主人公に対する思いをよくぞ貫いたと思う。最終的に結ばれたのは、ヒロインサイドの想いがかなり強くなっていったからである。
主人公は、生涯この娘を尊敬して感謝すべきだね。

前回は、バカな女に対して『これでもか!』というぐらい物凄く都合のいい男が居ました。しかも性犯罪者にのみご都合主義のオンパレードです。
『気に入った女の子に振り向いてもらえないならレイプしてしまえばいい』という作品だった。

今回はヒロインにとって主人公は都合のいい男ではなかった。
結果的に「キープ」扱いだった主人公は、他の女に寝取られる形になった。
『レイプ犯罪』ではなく、純粋な『寝取られ』であり、
しかも主人公にもヒロインにも非は無いのに、決定的なすれ違いが起こる。

実に秀逸な流れである。
いかに前作が駄作だったかを物語る作品。

反省したんだな、前作のクソ展開とお粗末な進め方を・・・

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-08-22 08:37:52] [修正:2018-02-25 12:12:43]