「チーズカバオ」さんのページ

藤子不二雄をリスペクトしたであろう作風に高度なオタク要素を混ぜ合わせたことで奇跡的な相乗効果が生まれ、唯一無二の面白味が引き出されている。
ケロロ軍曹(と、その部下たち)という珍妙なキャラクターはその滑稽さで絶妙にオタクの笑いのツボを付きまくってくるし、日向家等のメイン人間キャラも笑いに萌えにと八面六臂の活躍を見せる。
ただし、それも10巻くらいまでの話である。

20巻近くなったあたりからは長期連載によるネタ切れと、アニメ化により獲得した低年齢層読者への考慮か、話のクオリティーがガタ落ちしてしまっている。
さらに、尺稼ぎなのか作者の趣味なのかはわからないが、大長編ドラえもんを意識して失敗したかのようなしょうもないエピソードが大半を占め、読むことが苦痛になってしまっている。

今でもたまに面白い回はあるが、それらは基本的に序盤のノリに準じたものであり、中盤以降生まれた要素はことごとく作品の面白さを損なわせていると言わざるを得ない。

基本的にはケロロ小隊と日向家やその友人たちの間で繰り広げられるミニマムな侵略闘争をやっていれば、それだけで充分に面白いんじゃないだろうか。
それが描けなくなってきているのだとすれば、終盤のブラック・ジャックみたいに不定期掲載にするのも手だと思う(不思議と、あまり終わってほしいとは思わない)。

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[投稿:2020-11-24 12:24:32] [修正:2020-11-24 13:10:15]