「チーズカバオ」さんのページ

夏目義徳の個性を活かしつつ、サンデーの読者層にもウケそうな作品を創ろうとしたのだと思う。
低年齢層向け雑誌になっていた当時のサンデーでは藤田や皆川がニーズに合わなくなりつつあったので、ワンチャン狙いで夏目にニッチ且つポップな作品を描かせた結果、どっち付かずの煮え切らない感じで終わってしまった感は否めない。

連載前半はセンターカラーが多かったり、読者プレゼント企画も頻繁に行われていたり、単行本のカバーが当時は特別感のあったサラサラ仕様だったりと、編集部も精力的にプッシュしていたことがうかがえる。
このことから考えると、恐らくニッチ系枠復権の起点に成り得た、割と重要な作品だったと思う。
実際、そのジャンルにおける名作の定石に能力者バトル要素を足した手堅い作りで、そこそこいけそうな雰囲気はあったのだが…

もう少し夏目の持ち味を開放していれば、トガリに匹敵する佳作にはなっていたはず。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-12-17 08:40:00] [修正:2020-12-17 08:51:39]