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キャラクターの魅力や話の完成度の高さは申し分ない。

特に各キャラの動かし方、群像劇の進め方に関してはピカイチ。
少年漫画特有の不自然な後付けや露骨な引き延ばしや脳筋戦闘描写もない。
主人公エドワードは最初からレベル70程度の戦闘力を誇りそこから全く強くならないままであったが、精神面は大きく成長した。

少年漫画においてマイナスだと思われがちな要素をとことん排除した、ある種漫画のお手本のような漫画ともいえる。

しかし熱意まで排除した漫画であるかと言われれば全くそんなことはない。

作者は北海道の農家で生まれ育った方で、キャラクターのセリフ等からそこで育った彼女の死生観がかなり反映されている漫画だということはしっかりと伝わりますし、エドとアルの過去編のサバイバルやブリッグズ編では実体験のおかげでこういう漫画が描けるのだなとわかるんですよね。
イシュヴァール殲滅戦の話を描くにあたっては第二次世界大戦を実際に経験した当事者から取材を受けてから描いたそうな。
ツイッターをやらない理由を聞かれた際には「世の中に伝えたいことがあるのであれば漫画で伝えればいい」と答えたそうで、本当に自分の描きたいことだけを漫画にしていてその上決して独りよがりな作風にならずこの面白さを放っていたのは本当に凄い。

永遠に賞賛されるべき漫画。



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[投稿:2023-04-29 03:13:57] [修正:2024-03-19 17:02:44]