「クラムボン」さんのページ

戦後の日本を舞台に闘う女性を描いた傑作。

もうまず昭和の時代の空気が見事に表現されてるのに驚いた。
別に行ったことないからわかんないけど、これは間違いなく戦後だなって思ったからOK。

普通なら世界観にキャラクターが負けてしまいそうだけど、この主人公はむしろ圧倒してる。
加納トメの言動ひとつひとつが太陽のような説得力。
だから外国人の大男との試合で、普通ならありえない展開にも説得力があり、納得できる。
肉体的なハンデを安易に超えさせない作者はナイス。逆にカッコイイ。

後半につれて爽快なシーンが減らされ、人生の決断を迫るシリアスな展開に。しかしここで読むのを止めてはいけない。
そこは本作が「野球漫画」から「ヒューマンドラマ」に深化する大事なところだからだ。
ここを蔑ろにしてしまっては最終回のすがすがしさが台無しになってしまう。

もしカッコイイ漫画を探しているなら、わたしはこれを薦めます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-02-02 04:23:16] [修正:2007-02-02 04:23:16]