「まれら」さんのページ

[ネタバレあり]

作品全体が3期に分かれると思うが、それぞれが随分違った印象を受ける。トータルで考えても、スポーツ漫画の名作にしてギャグ漫画の傑作である。
<ラグビー編>
正直なところ普通のギャグ漫画。面白くはあるが、もしここで終わっていれば、月並みな漫画で終わっていた。
<柔道編>
格闘団体戦ものの元祖ではないかと思う。しかし「団体戦に出られない程の弱小チーム」「別の競技の経験者」「なぜか混じっている素人」など、王道のパターンはほとんど出揃っているように思う。YAWARAも五所瓦も、すべてのルーツはここにある。
反則も含めた数々の技はきわめてアグレッシブで、プロレス編への伏線は十分だった。
<プロレス編>
ストーリーと試合場面の緩急が絶妙なので、筋だけ追って行っても十分面白いとは思うが、何と言っても素晴らしいのは作者のプロレス(また格闘技全般)への思い入れである。試合場面は丹念に描かれていて、恐らく目の肥えたプロレスファンでも納得の出来だろう。三四郎がスーパーマンではなく、根性の人として描かれるあたりも「闘魂」に忠実でひたすら熱い。
ギャグの合間に放り込まれるプロレスネタも小気味よい。作中に実名で登場する猪木をはじめ、シンやブッチャーやハンセンのエピソードがちりばめられ、プロレスが熱かった往年の雰囲気が蘇る。
ラグビー編から比較したら、キャラやストーリーなど別の漫画のようであるが、「闘魂」という一貫した主題が花開くのは、まさにこのプロレス編だと言って良い。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-12-01 00:20:38] [修正:2007-12-01 00:20:38]