「まれら」さんのページ

延々と繰り返されるパラノイア的な描写。オムニバス形式で語られる異様な状況がやがて一点に収束されていく。
グロテスクを通り越して滑稽にさえ見える画風は、決して上手いとか美しいとかいうものではないが、淡々とした筆致のせいか、さほど嫌悪感は感じない。
恐怖漫画やSF漫画の趣もあるが、むしろ前衛芸術を目指したような読後感を抱く。惜しむらくは結末が理に落ちすぎてむりやり終わらせたような感じがする点である。いっそ前衛に徹して突き放せば9点以上を献上できたかも。

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[投稿:2007-02-15 23:52:56] [修正:2007-02-15 23:52:56]