「小嘘騙り」さんのページ

不思議な話を集めた短編集。

似た印象を受ける漫画作品に杉浦日向子氏の「百物語」があるが、「百物語」が主に江戸時代の奇談集に着想を得ているのに対し本作品は作者自身の奇想をよりどころとしている。
歴史資料という枠組みの中で作者が自分のイメージを表現している「百物語」とフリースタイルで自由に作者が空想を書き綴っている本作品を例えると短歌と現代詩のような関係だと思う。

何より注目すべきは表現力の高さ。
高い画力と構成力によって、読者は自然に作者のパーソナルな奇想を共有し、体験することができる。
まるで他人の頭の中を訪問しているような楽しさがある。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-09-19 20:49:35] [修正:2007-09-19 20:52:39]