羊のうた
作者:冬目景
雑誌:月刊コミックバーズ
レビュー全文
7点
:橙木犀さん
大切な人を守りたい。
幸せにしたい、幸せになって欲しい。
幾つものそんな想いが、どうしてこんなにすれ違ってしまうのだろうと、痛々しくてなりませんでした。
どんなに酷い言葉を投げつけられても、切り捨てられても、「それでも待っていたい。私の気持ちは変わらない」と一砂を想い続ける葉の一途さが、物語の希望であり、癒しであったと思います。
読みながら、「一砂、どうして葉を選ばないの!?」と内心叫びっぱなしでした。
悲劇的な人間、不幸な人間の方に人の心情は寄り添うものだと何かで読んだことがあるのですが、だからと云って、心から大切に想う人を切り捨てていいとはどうしても思えなかったからです。
また、葉がとっても魅力的なんですよ!!
一砂が葉に辛く当たり、千砂を選ぶ度に、苛々せずにはいられませんでした。
だから、『一砂と葉が想いを交わしあった』あの場面(この作品を読んだ人は分かるんじゃないかな)を読んだとき、本当にホッとしました。
閉塞感に満ちたストーリーですが、ラストが未来へと繋がる可能性を提示してくれているので、悲劇的終結が苦手な人でも大丈夫だと思います。
[ 2007-07-03 10:14:55]
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