黒博物館 スプリンガルド
作者:藤田和日郎
雑誌:モーニング
レビュー全文
7点
:オカシューさん
子供の頃に怖くて怖くて近寄りたくもないのだが、同時に得も言われぬ魅力を漂わせているモノがあった。
例えばコックリさん。例えばキモ試し。
夜道を一人で歩くのさえ嫌だったハズなのに友達同士で話題にすると気がおおきくなってしまい夕方集まったりして何か後悔したりする。
目をそらしたくなる気持ちと気になって仕方がない気持ちが同居している。
藤田先生の描く漫画にはそんな魅力が詰まっている。
ある時は妖怪、ある時はからくり人形・・・不気味で陰湿なイメージを常に漂わせているその妖しき世界を少年の勇気とまっすぐな心がぶった切る。
本作スプリンガルドもその藤田テイストに一片の曇りもない。
中世独特のいかがわしさはまさに独壇場。
無論、長編作品の激アツさには及ばないかもしれないがサクッと読める中にも充分満足感は味わえる。
ラストのオチも見事に決まっており手堅い一冊。
そう言えば最新作はおとぎ話、童話的な明るさ故に藤田マンガの魅力が出し切れてないのかもなぁ。
[ 2010-04-29 02:08:27]
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