大王
作者:黒田硫黄
雑誌:短編集
レビュー全文
10点
:くっしいさん
久し振りのレビューです。
この人は筆を使って描くので独特の風味の絵になります。
一見粗く見える絵ですが、効果を十分にもたらす大胆で動的な構図が持ち味と言えます。
その持ち味は、この人の話し運びと合わさると途端に雄弁に主張を始めます。話しが物語りになるのです。この人の代表作の一つ「茄子」でもそうですが、それほどの劇がない所に物語が生じて世界が広がっていくのです。淡々とそれでいて着地点も見えず、どこへ連れて行かれるのか分からない期待を膨らませてくれます。このある種快感とも言える浮遊感を楽しむだけでも読む可知のある漫画です。
この漫画は既に消費される商品ではなく蓄積されるべき文化なんだと思います。
[ 2009-10-25 21:50:25]
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