暁星記
作者:菅原雅雪
雑誌:モーニング
レビュー全文
6点
:とろっちさん
「明け(宵)の明星」「暁の星」と呼ばれる金星。
テラフォーミング(惑星改造)されて生物が住める環境になった未来の金星が舞台の、超骨太SF作品。
金星での独自の生態系と人々の原始的な生活の描写がとにかく秀逸。
それだけでも十分に面白かったのですが、途中から作品世界の裏側が少しずつ見えてくると、
世界観が一気に広がり、本格的なSFの様相を呈してくるという見事な構成。
練りに練られた非常に完成度の高い作品という感じがします。
ただ、昔のゆうきまさみを思わせるコミカルな絵柄は、原始生活を舞台とする骨太SFの本作品には
かなりミスマッチだった気がします。
後半になるとシリアスな展開と共に絵柄の方も締まってきて、まだ読めるようになりますけどね。
終わり方が非常にもったいないと思います。
結末を読者の想像に委ねる、というよりは、駆け足で終わってしまったために
単に十分な説明ができていないだけのように感じられました。
途中までは効果的に使われていた「祖霊」や「ヤドリタケ」も、最後の方は使いこなせずに持て余し、
むしろ作品を乱す存在のようになってしまったのが残念です。
[ 2011-03-16 22:14:22]
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