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バットマン:ロング・ハロウィーン
作者:ティム・セイル

雑誌:DC Comics

 レビュー全文  

7点  :columbo87さん 

ノーランのダークナイトの原点となった作品。
イヤーワンの後にあたるストーリーで、ファルコーネファミリーの回りで起こる、「ホリデイ」による殺人事件に、バットマンやゴードン、デントらやり方は違えどもゴッサムを信じるものたちが挑む。
重厚な空気感の中で語られるゴシックミステリーといった面持ちであり、いわば推理小説をバットマンと言うプラットフォームを用いて視覚化したものである。見事なのはその構築、世界観の融合の妙であり、仮装男やフリークスらの存在という、ともすればナンセンスギャグとなってしまいそうなものを逼迫した緊張感で繋ぎ止めている点である。
本作は明らかに子供向けの作品ではなく、(バットマンの文脈をある程度とらえている)上の世代まで読むに耐える内容となっている。
主軸はデントとバットマンにおいて語られ、最後には皆が知るように悲劇を迎える。
それだけに冒頭から独白的に語られるブルースの言葉がなんとも切なく胸に残る。ブルースはゴッサムを、デントを信じていた。いや、今でも信じているのだ。それゆえ彼は今作でらしからぬミスをおかすのである。

決して勧善懲悪的な読後感を得られるわけではないが、名作と呼ばれるに値する幕引きと謎とを我々に与えてくれる。



ただ上下巻で6700円は高すぎやしませんか?

[ 2011-09-20 15:14:22]
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