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総レビュー数: 4レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年02月08日

24年組の作家たちが取り上げた「少年愛」という題材。この作品も代表的なひとつ。
ギムナジウムという独特の狭いシチュエーションを生かし、4人の少年たちの複雑な人間関係が描かれている。
話の軸になっているユリスモールの心理描写は複雑で繊細。
トーマからの手紙、ユーリの過去、交差するそれぞれの思いは読者を引き込んで離さない。
物語の題材は決して描きやすいものでは無いと感じるのだが、あまり長くない話数、加えて週刊連載という状況で作者なりの結論を出したということに驚嘆する。

今日の市場に氾濫する、多くの節操のない同性愛を扱った漫画と一緒にされてしまうと残念である。
確かに今の流れの礎を築いたとも言えるのかもしれないが、精神面に重きが置かれ、よく練られた話であり味わい深いと思う。
先入観をあまり持たず、まずは一度読んでみてほしい。
読み終わったあとには後日談の『湖畔にて』も是非目を通していただきたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-14 20:37:38] [修正:2011-02-06 20:22:37] [このレビューのURL]

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