「hiropon」さんのページ
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7点 大阪ハムレット
作者が吐いた毒とともに、心理が繊細に表現されている。
過去の「少年アシベ」を読んでも、この作者はアタリのきっつい人だな、と思った。
そんな作者の毒は、上っ面的なキャラクタの陰で行き場をなくしていたのでは…。
「少年ハムレット」の少年、少女たちには、取り繕った可愛さがない。
不細工、愚直でさえあるような気もする。
だからこそ、少年期のただ一途に思い、人を遠ざけ、悩む心情が、非常に素直に表現されている。
感情移入できるかどうかではなく、各短編の登場人物たちが本の中に、また日本のどこかにいるのではということを伝える。
作者にとってはおそらく、毒づきながらも、非常に多くの心情が吐露されている本だと思う。
キャラクタの心情の切り取り方の巧さとともに、色々な意味で向き合った作品なのかとも思うが、外れていないか。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-06-14 04:22:46] [修正:2009-06-14 23:28:07] [このレビューのURL]