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総レビュー数: 1レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年02月15日

6点 海皇紀

個人同士での戦いは別として、この漫画の醍醐味といえる海戦や陸戦を明らかに物理的に不可能な必殺技やテクノロジーでの解決に頼らずに描ききった素晴らしい作品です。
連載中は物語の展開がじれったいくらいに遅く感じましたが、次々繰り出される戦略や艦船の動きを丁寧に描いた結果でしたので単行本でまとめて読んでみると気になりませんでした。

点数が低めなのは終盤での失速が理由です。
フォレスト戦は個人の好みとして、いわゆるラスボス戦が体術戦とSF展開で決着がついてしまったことは好みの問題を超えて失敗だったと思います。これまでの数々の戦いはなんだったのかという気分でした。船乗り達が主役の物語なのですから、海戦が最終決戦であってほしかったです。
SF設定は魔人が出てきた当初はともかく、終盤では盛り上がりの邪魔をしていただけに思えました。ロナルディアはカノン砲をはじめとする火薬武器の技術があるだけで十分に強敵だったからです。
この理由付けをSFにしたおかげで、ロボットやら卵やら普通の剣や弓矢が効かない敵が相手になり戦略での決着が付けられなくなったのではないでしょうか。
 
凡人が過ぎた兵器を振り回すのはお約束の負け展開ですし、結局一番白熱したのは対等な技術や知恵をもっている海の一族の内輪争いでした。長く時間を割いていただけあってこの辺りまではファンのペテンに振り回されっぱなしの面白さでした。
全く知識がなくても帆船の魅力が伝わってくる作品でしたが、どのようにして完結させるか楽しみだっただけにどうにも不完全燃焼です。

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[投稿:2011-02-15 10:18:58] [修正:2011-02-15 10:18:58] [このレビューのURL]

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