「ib」さんのページ

総レビュー数: 4レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年05月05日

[ネタバレあり]

この物語の当時のゲーセンのことはわからないが、80年代後半にゲーセンに通い、また最近になってコンシューマで格ゲーを始めたおっさんとしては、ちょうどその間の空白を埋める作品として楽しめる。

第1巻の最後は思わず泣けてきた。日常的な題材でも少しずつ盛り上げていき、カタルシスをつくる語りのうまさがあるのだろう。

ただ、その後、ゲームしか能のない主人公が勝手にモテモテになっていくのは、おっさん世代の感覚からすると「主人公を甘やかし過ぎ系」と見てしまう。
今の若い人たちは日常系とか、困難の少ないストーリーが好みなのだろうが。

ゲーセンにたむろするボンクラやしょうもないおじさんたちの人間模様、ゲームしか取り柄のない奴が当然のように味わうことになる失恋や社会からの疎外感、年齢を増すごとにますます冷たくなる大人たちの目、、、そういう面があって初めて、主人公のゲームにかける狂気と、そして女のコたちの存在が輝いてみえてくるんじゃないかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-03-21 23:32:19] [修正:2016-03-21 23:32:19] [このレビューのURL]