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0点 惑星のさみだれ
自分の中では最高に気持ち悪い漫画。
友人に進められて全巻読んだが、ネットでの評価は高すぎると感じた。
まずキャラクターが全員うすっぺらい。誰ひとりとして好ましく感じるキャラクターが居なかった。
たぶんこの作家さん独自の持ち味なんだろうが、どのキャラクターもみんな同じ臭いしかしない。
良い言い方をすれば飄々としている、となるのだろうが、全員が全員、感情が気迫で冷めており、何を考えているのか明確には描かれない。
その行間を想像したり、どこか達観し、冷めたキャラクターたちに魅了される人も多いのかもしれないが、自分にとっては全員が劇を演じている劇団員のように感じられた。(演じる項目には「薄っぺらく」という支持付きの)
感情が希薄で達観したキャラ達が描かれる他の作品として、「ぼくらの」があるが、そちらにはこの作品に感じた嫌悪感は一切感じられなかった。
その差はどこにあるか。
簡単な心理描写などが描かれてない事もないが、あと一歩踏み込んだところまで届いていないのだ。むしろ作為的にそこまでは書いていないような気さえする。
だからキャラクターに何も共感できないし、キャラクターが何人死んでも少しも心揺さぶられなかった。むしろ死に様のうすっぺらさにどんどん冷めて行くばかりであった。
何よりも気持ち悪かったのが、ヒロインであるさみだれである。
自分は不治の病で治ることが無い。
親からも愛情を注いでもらなえない。
私は世界に愛されない。
だから世界を壊す。
……街中で刃物を持って暴れて、人を殺す犯罪者と変わらない……。
こういう思考を持ち行動するキャラクターが敵として出てきたなら、メインキャラクター達は全員でそいつをフルボッコにし、バカにし、蔑み、哀れみの目を持って粉砕するだろう。
ところがさみだれはヒロインなので、そうはならない。
裏切られたはずの全員が、愛をもってさみだれを諭そうとし、止めようとする。何の腹立ちも憤りも無しに。
そして、さみだれに惚れているヒーロー様が、さみだれが好きだからというバカみたいな(バカも対外にして欲しい)理由でさみだれを「助け」て大団円、となる。
なんじゃそれ?
中二病で裏切り者の犯罪者が、何のペナルティも無く、「助けられて」終わる。
今まで自分が読んだ中で、最高に気持ちの悪い終わり方でした。
吐きそうになりました。
これを書いている今も吐きそうです。
この漫画は要するに好きな馬鹿な事をしようとしている女の子の為に必死こいて頑張る男の子の話なんですが、それならそれでもっと書き方があったと思う。
好きな女の子なら(どうしてあんな女を好きだと思えるのかそのあたりの描写も実に稚拙で全く共感できないのですが)何をしてもいいんですか?
ヒロインならばノーペナルティですか?
あれが大団円の終わり方なんですか?
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2011-08-22 06:26:55] [修正:2011-08-22 06:26:55] [このレビューのURL]