内田善美
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よみうちだよしみ
誕生年1953
性別女
1974年「なみの障害物レース」(『りぼん』7月号)でデビュー。1978年創刊の『ぶ〜け』誌には創刊号から参加、1983年頃まで、同誌の看板作家の1人として活躍した。細密な画と衒学趣味的なネームを特徴とする。初期は、叙情的な短編が多かったが(この時期の作品では特に『秋のおわりのピアニシモ』が評価が高い)、次第に幻想的な要素が強くなり、1982年から1983年にかけて、代表作であり、集大成的な色彩が強い長編『星の時計のLiddell』を発表、好評を博す。その後、かなりの修正・加筆の上、『星の時計のLiddell』の単行本を出す(1986年に最終3巻発行)が、1984年『ぶ?けせれくしょん』1月20日号掲載の『草迷宮?めらんこりかるShopping?』を最後にその後作品は発表していない。本人によると、「漫画家として書きたかったことは『星の時計のLiddell』で全て書いてしまったので、もう書けない」ということらしい。なお1987年には『ぶ〜け』『ぶ〜けデラックス』誌に計4回カラーイラストが掲載されている。断筆後については、大泉実成の『消えたマンガ家3』で少し触れられているが、隠遁生活を送っているという。90年代末頃までは、しばしば親しい漫画家のアシスタントを不定期でやっていたという話もある。現在の消息は完全に不明で、交流があった漫画業界の人ですら、連絡が取れないという。
業界内外にも作品への支持者が多く、出版社側からも再版要請が出ているにも関わらず、本人が連絡に応じないため(現在は、上記のように連絡先すら分からない状態である)、事実上、再版・復刻が不可能な状態になっている(ちなみに、このような事情のため、基本的に発行された単行本は絶版ではなく、すべて「品切れ」扱いである)。その為、既刊は希少価値となり、インターネットオークション等で高値で売買されている(特に、大判で高額だったため、発行数が少ない『ソムニウム夜間飛行記』には、極めて高額のプレミアが付いている)。