あらすじ
極限まで科学技術が発展した人類の引き起こした「火の7日間」と呼ばれる最終戦争により、文明が滅びた後の遠未来世界が舞台となる。人々は発掘される戦争以前のオーバーテクノロジーを利用しつつも、基本的には中世的な生活を送っている。腐海と呼ばれる、巨大な菌類・苔類・シダ類からなる森、そこに棲む蟲(むし)と呼ばれる巨大節足動物群。人々はそれらに脅え、あるいは畏れ敬いながら生きている。
主人公ナウシカは、腐海のほとりにある、辺境の小国「風の谷」の族長の娘である。本作品では腐海や蟲をも愛する心優しいナウシカが様々な人々と出会い、艱難辛苦を重ねて成長し、自らと世界の運命、そして世界の真実の姿に向き合い、受け入れていこうとする姿が描かれていく。
(wikipediaより)
この漫画のレビュー
6点 勾玉さん
ナウシカの最後の選択は受け入れ難いものがあった。
個人的には、世界の理を捻じ曲げようとも貪欲に生を求めた、
旧世界の人間達の方が、自分にとってはよっぽど英雄と呼べる存在だ。
確かに「浄化」と称し生命を作り変えたその所業は人間のエゴと言えるかもしれないが
だからと言って、ナウシカの最後の行動も正当化されるものではないだろう。
生命の本来あるべき姿を尊重し、
自然のままに亡びさえも受け入れようとするナウシカの姿勢は崇高なものだとは思うが、
人類の存亡に関わる重大な選択を自分の思想だけで判断してしまうのはどうなのだろうか。
その上、腐海の真実や墓所でのやり取りを、他の人間に打ち明ける気も無いらしい。
独断で人類の存亡への道を閉ざし、他者へは選択する術も、
真実を知る権利すらも与えなかったナウシカもまた、
強烈なエゴイストのように思えて仕方無かった。
と、まあ結末には納得は出来なかったものの、
物語のスケールの大きさと細部まで考え抜かれた独自の世界観は文句のつけようがありません。
余談ですがワイド版は紙質も悪いし、無駄にでかくて本当に読み辛い。
単行本サイズの新装版とか出してくれないかなあ。
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[投稿:2012-09-13 16:37:23] [修正:2019-12-15 09:50:17]