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6.88点(レビュー数:44人)

作者衛藤ヒロユキ

巻数16巻 (完結)

連載誌月刊少年ガンガン:1992年~ / スクウェア・エニックス

更新時刻 2012-08-21 12:47:02

あらすじ 無理矢理勇者として育てられた少年ニケが、魔法グルグルを使う少女ククリ、ふんどしを履いた精霊ギップル、そしてメンバーの足を引っ張るばかりだが何故か憎めないキタキタ親父とともに魔王が復活するのを阻止する長い長い旅に出たのであった。

備考 1994年と2000年にそれぞれテレビ朝日系列とテレビ東京系列にてテレビアニメ化されている。
1996年には松竹系にて劇場版が公開されている。

人気キャラクター「キタキタおやじ」を主役にしたスピンオフ作品として『舞勇伝キタキタ』がある。

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この漫画のレビュー

8点 鋼鉄くらげさん

自分が好きなギャグ漫画のトップ3に入ると思うこの作品。

この作品の面白さは何と言っても「フィクションとして守るべき最低限のルールを『ギャグだから大丈夫』という訳のわからない理由で平然と飛び越えてしまうところ」にあると考えます。

当たり前ですが、フィクションがフィクションとして存在するためには、ある程度のリアリティを排除しなくてはいけません。恋愛ドラマのクライマックスで、彼氏が彼女に愛の告白をしようとしている時に、どこからともなく石焼き芋の声が聞こえてきたら変ですし、そのあと、キスをしようとしてお互いの顔を近づけたら、彼氏の鼻の穴から鼻毛がはみ出ていたなんてこともあり得ません。しかし現実にはあり得ます。可能性としては限りなく低いですが、あり得ないことはありません。人間ですから。現実ですから。つまりフィクションというのは、ある程度のドラマ性を確保するために、そうした現実的な、引いては人間的な側面を排除しなければならない舞台設定だと言えます。

しかしこの作品は、そんな、物語がフィクションとして存在するために必要な「現実性の排除」をことごとく無視しまくっています。

ダンジョンに入ればどこからか焼肉の匂いがしますし、シリアスな場面では他の誰かが屁をこきますし、勇者の投げたナイフで盗賊のお頭(おっさん)が半ケツ状態になりますし、資金集めのために始めた店屋では半裸のオヤジが脇の下でおにぎりを握っていますし、しまいにはラスボス戦で勇者がう○こに行きたいと言い出す始末です。もうやりたい放題です。

ただ、そうした発想こそがギャグの本質だと思うんですよね。シリアスな場面にあえて人間臭さや現実的な側面を持ち込むことで、それがギャグにつながり、見る人(読む人)の笑いを誘うというか、そんな感じがします。

しかし、勿論そうした下ネタ気味なギャグだけではなく、まるで少女漫画の様なメルヘンチックでロマンチックでファンタジックな要素もふんだんに盛り込まれています。(特に10巻辺り)ギャグだけではなく、繊細な心の描写もきちんと描ける辺り、さすがプロの作家だなと感じます。

ちなみに、この作品の中で自分が特に好きなエピソードは、「ノコギリ山」と「ゲソックの森」の二つです。この二つだけは10点を付けたいほどの面白さなんですが、途中、長期連載の弊害からか結構長い期間、物語が中だるみするので、その点を考慮して今回は少し減点して8点の点数を付けました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-01-25 23:19:45] [修正:2013-01-25 23:19:45]

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