この漫画のレビュー
8点 ジブリ好き!さん
降り止まない雨なんかない
物理的にも精神論でも、確かにそうなのだろう
でも、その雨が一体いつ降り止むのかは、誰にもわからない
何日も降りしきる雨に、すぐやむさ、必ずやむさと、明日も明後日も当たり前のように考えて、また明日が来る
止まない雨は、やがて全てを飲み込み始める
それでも思う、雨は止むと
だけど、10階のマンションのベランダから目の前に広がる光景を見て、初めて絶望を認識し始める
絶望の中にいて愛や未来への希望にすがって諦めない方舟の人達
そんな彼らに、「おまえらみんなバカか!!」と叫ぶ若者
終焉を受け入れ故郷に戻り、家族で最後の時を過ごす者達
そして雨は止んだ
想像力の欠如した者たち全てを飲み込んで
太陽の光を浴びることができた、いかだの上のカップル
でも、いかだは方舟なんかじゃなかった
終焉のビジョンをもっていた二人もまた、終焉の中に取り込まれゆく…
降り止まない雨なんかない
その雨が降り止んだのは、人も街も全て飲み込んだ後だった
あまりにも静かな終末の形
こんなにも救いがないのに、なんて美しいラストなのだろう
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[投稿:2010-10-18 14:27:41] [修正:2011-02-08 15:01:13]