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8点(レビュー数:1人)

作者田近康平

巻数4巻 (完結)

連載誌くらげバンチ:2021年~ / 新潮社

更新時刻 2023-09-02 05:23:45

あらすじ どこにでもあるような街の、どこにでもあるような学校。どこにでもいるような母親と、どこにでもいるような先生。どこにでもあるようなありふれた関係、のはずだった。悪夢の“家庭訪問”までは――。 小さな街で起きた“体罰事件”は全国を駆け巡り、やがて裁判へと発展する。世論の見守る中、正義の鉄槌が下るはずが。

備考 原案:福田ますみ

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この漫画のレビュー

8点 朔太さん

読む手が止まらない。
続きが読みたくて仕方がない。
殺人教師がいるかと思えば、モンスターペアレンツがいたり、
妄信ジャーナリストも登場する。
一体、世の中何を信じれば良いのか?

これはノンフィクションなのか?
本当に現実なのか?
密室で起きたことは、常に藪の中だと心得るべしなのか。
事実の積み上げが、真実にはなり得ないという怖さ。
メディアは常に単なる賑やかしで、無責任ということは
知っていたけれど、時には加害者にもなる。

遂には、原作本も探し出して読んだ。
しかし、ここで新たな疑問が生まれる。
原作者はよく調べ上げたとは思うが、こうなると原作者の
主張も「でっちあげ」と疑えないか?
でっちあげとは言えない程度のごまかしや誤謬があれば、
裁判と言えどもどちらにでも転ぶかもしれないんじゃないか?
いつまでたっても「藪の中」。
社会はどこまでも闇だな。

社会生活から人生を切り離せないなら、必要以上に社会に
身を預けないようにすべきと肝に命じる。
新聞もメディアも国家も信用できない。
最後に思ったことは、少なくとも自分はこんな闇に巻き
込まれたくないこと。
そんな無関心さが、逆に被害者を孤立化させたのかもしれないが。

肝が冷えるほど驚かされたが、知っておきたい社会的問題作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-09-02 05:32:16] [修正:2023-09-02 05:32:16]

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