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5.62点(レビュー数:8人)

作者菅野文

巻数18巻 (完結)

連載誌別冊花とゆめ:2006年~ / 白泉社

更新時刻 2009-11-25 06:38:22

あらすじ 柔道・空手の段を持ち、剣道で全国制覇を成し遂げている剣道部主将・正宗飛鳥。周囲からは「男の中の男」と評判の彼だが、実は少女漫画や可愛らしい小物、甘いお菓子などを好み、料理や裁縫・掃除も完璧にこなしているという乙女的趣味・思考・特技を持つオトメン(乙男)であるという秘密を持っていた。そんな彼はある時、転校生の美少女・都塚りょうに一目惚れしてしまい…。

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この漫画のレビュー

3点 臼井健士さん

白泉社の漫画雑誌で連載されている作品は、少女マンガに位置しながら「男子が主人公」のものも多い。
少女マンガで男子が主役って、「りぼん」とか「ちゃお」とかではかなり異端というか、
有り得ないくらいの設定になってしまうのだけれど、「花とゆめ」や「LaLa」では普通。

つまりその分、男性が読んでも読みやすい作品というか、共感しやすい作品が多いのだとも言える。
そんな中、昨今増えている漫画のジャンルに
・「女の子っポイ男の子・女装する男の子」をテーマにした作品というのがある。
このジャンルはここ数年で急速に広まったジャンルで、「オトメン」もこのジャンルの作品に位置していると
考えていいだろう。

それで、このジャンルの作品を描く上で予想できるのは、「主人公が周囲の人たちに比して異端」と扱われ、
軋轢や対立、さらには精神の「女性」と肉体の「男性」という相反する性に葛藤したり苦しんだりするという展開。
普通に真っ当に描けば、この問題を避けて通ることは出来ないはずだ。

しかし、多くの作品群は上記をしっかりと描いてはいない。
なぜか皆「女装や精神的な女性部分が周囲の人たちに違和感なく受け入れられてしまうというコメディ調の展開」に終始してしまう。
出る作品、出る作品なぜか皆同じである。
それは、真剣に上記の課題を描こうとすると、どうしても展開が重苦しくなり、とても読み続けられないことが予想されるからであろう。
だから、皆それを避けようとする。そうすると必然的に雰囲気・展開がコメディ調になり、軽く読み流せる半面底が浅く、物語に深みがなくなる。
よって長期連載できるほどお話が続けられず、短命に終わるという結末。

この漫画の主人公男子「正宗飛鳥」も料理や家事が得意という女性のような面と、外面の男らしさとのギャップに苦しむ姿は一応は描かれている。
だが・・・・描き方がどうにも軽いというか、やはり「コメディ寄りの苦しみ方」(表現の底が浅い)のような気がしてならない。
しかも年齢が高校生に達しているので、思春期は既に過ぎて精神的には既に一山も二山も越えてしまっているような印象を受けるのが難点。
このテーマで描くならば年齢設定は「中学生」が妥当だと思う。高校生だと歳をとり過ぎ。

後、絵柄もやはり「コメディ系の絵柄」だと思いますね。シリアス展開させようとしても絵とミスマッチのように感じました。
ドラマ化されたのに全然当たらなかったという訳が分かるような気がします。

主人公は「精神的に女性な男子」ではなく「少女趣味の男子」です。
男らしく!などと思う必要もなく、精神的には8割以上男子。女性部分は2割くらいでしょう。
これがもし逆なら全然違う雰囲気の作品になっていたはず。読みたいのはむしろそちらのほうです。残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-19 18:41:12] [修正:2010-06-19 18:41:12]

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