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6.84点(レビュー数:13人)

作者島本和彦

巻数16巻 (連載中)

連載誌ゲッサン:2007年~ / 小学館

更新時刻 2009-12-05 00:17:36

あらすじ 1980年代初め。大阪の大作家芸術大学でTV・映画・アニメの講義を受けつつ、漫画家を目指す若者・ホノオは、しかしながら野望だけで具体的には何も動き出していなかった。そんなある日、何気なくサンデーを読んでいた彼は、当時はまだ無名の新人だったあだち充や高橋留美子の作品を目にして…?

備考 「週刊ヤングサンデー」にて連載開始され、休刊に伴い「ゲッサン」に移籍した。

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この漫画のレビュー

8点 shunさん

作者の自伝というか1980年台描写漫画と言える。
当時の芸大の雰囲気や、当時のオタクの雰囲気を、作者のフィルターを通してみることが出来て面白い。

面白さの一つは、作者の分身である主人公を通してオタクの観点を解説するところにあると思う。
現代のビデオやインターネット等の、情報があふれた時代では考えられない情報への渇望が、
熱すぎるほど伝わってくる。もちろん特殊な観点なのかもしれないが、熱すぎて面白い。

あだち充や高橋留美子や原秀則などの才能を開花させ始めた漫画家たちに、自分がやりたかったことを先取られたと落胆するが、
面白さの分析を交えた賞賛と、第三者の未熟者ならではの見下しの観点により、卑屈ではあるが嫌味に感じない。

「俺だけはわかるが実は作者はこういう事を考えているのだ。しかも楽だ。俺にもできる!」(しかしやらない)
基本的にこの流れで話は進んでいくが、今や様式美となっている漫画のテクニックを、
主人公を通して、それを最初にやった素晴らしさがよく分かる内容になっている。

主人公だけだと、落胆→賞賛→見下し→やらない のループで単調になりがちだが、
主人公と錯綜するGAINAX設立メンバーが時代を掴むまでのストーリーを交えて、
2つのストーリーが同時進行し、単調にならないようになっている。
こちらもまた、キャラクターが生きていて面白い。

なかなか前に進まないもどかしさが大きくなってくるが、展開が遅いというよりも
当時の時間を大切に(濃度を濃く)進めていると感じた。

漫画の方程式を崩し始めたニューウェーブ達を、今も楽しめる良い作品になってきた。
当時をリアルタイムに味わっていない私でも、十分に楽しめた。1980年台以前の生まれの方は、なお一層楽しめるだろう。
吼えろシリーズとは違った面白さがある良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-08-21 10:59:24] [修正:2014-08-21 10:59:24]

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