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7.32点(レビュー数:52人)

作者王欣太

巻数36巻 (完結)

連載誌モーニング:1994年~ / 講談社

更新時刻 2010-11-11 00:01:02

あらすじ “乱世の奸雄”と呼ばれ、中国史上に巨大な悪名を残した英雄・曹操孟徳。だがその破格な生き様は、天に愛された者のみが持つ輝きに満ちている。この物語は、その輝きによって照らし出される新たな「三国志」である。

備考 連載当初は李学仁が原作を担当していたが、連載中に肝臓がんのため死去してしまい、以後は王欣太一人によって執筆された。

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この漫画のレビュー

10点 あおはなさん

評価する人は最も評価するし逆もまた然りの日本漫画筆頭。

でも理由分からなくも無いです。
原作者がお亡くなりになったという論点はあまり実は重要ではないように思います。

この作品まずは「官渡の戦い」が前半最大の山場であり主義主張がコレでもかというくらい露骨に凝縮した部分ですが(実際にここは横山三国志では見事に省略された戦い)官渡の戦い前半部分の「心の闇」の話を「上から目線で一人よがり」と捉えるかインスパイアされるかがこの漫画の第一の分岐点でしょうね。
このアタリまで読んでみて好感触を持てないとこの漫画は合わないでしょう(この後は思想的哲学的な記述がオンパレードですから。バガボンドにおける井上先生の主張具合に唯一匹敵するくらいに)。
おそらく人によってはこの後の記述はかなり読解力が求められるように思いますし、何気でよんでいると「優性理論かよ?」と気分を害される人がかなり多いのも全く持ってうなずける。そういった意味で「読み手にも胆力を求める傲慢漫画」でもあると思います。

この漫画、特に曹植とジュンイクに着目していただきたいですね。この漫画においてはこの二人に関する記述が恐ろしく重要です。
三国志漫画としてのこの漫画の最大の特徴は「曹操と儒家の対立」の描写でありますが(この点他の三国漫画には当時存在しませんでした)この点につきジュンイクを核にした描写が泣けます。

あと意外なことにこの漫画が最も正史三国志に近いです。曹操と孔明、武人のデフォルメの影響で(こいつらに関してはかなり・・・)一見もっともフィクションっぽいのですがじつは最も史実を正確に記述し、魏、呉、蜀を結構平等に記述した漫画。

だから実際は1巻巻頭の主張「善玉と思われた奴は本当に善玉だろうか云々・・・」という原作者が存命していた時の提言に作品全体を通して実は忠実です。あと余談ですが、画力も抜群です(特に8巻当たりからは際立って)。呂布がドレッドなのは当時やられました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-06 17:58:43] [修正:2010-12-11 17:50:18]

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