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7.28点(レビュー数:14人)

作者魔夜峰央

巻数100巻 (連載中)

連載誌別冊花とゆめ:1979年~ / 白泉社

更新時刻 2009-11-25 06:29:20

あらすじ 南海に浮かぶ常春の国マリネラの王子(後に国王)にして、天才的頭脳と悪ふざけが過ぎるひねくれた性格を持ち、ゴキブリ並の素早さと生命力を持つ10歳の少年パタリロ、その身辺警護のためにパタリロと出会うことになる英国情報部MI6のエージェント・バンコラン少佐、初めは暗殺者として登場しながらやがてバンコランに魅了されていく美少年マライヒらを軸に、全編にギャグを散りばめながらも翻訳ミステリー・スパイ小説さながらの国際謀略事件が展開する、他に類を見ない独特の作品。

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この漫画のレビュー

10点 FSSさん

私が影響を受けた漫画のひとつ。

とにかく凄いのは、もう三十年近くも前から続いている漫画でありながら、初期の頃からセンスがほとんど変わっていない事。今、一巻辺りを読んでも、物語やギャグに古さを感じない。当時の漫才やドリフのコントなどが現代では通用しなくなっているのと比較すると、「パタリロ!」の持つギャグセンスがいかに普遍的かつ不変的であるかが分かる。

最近でこそ当初のようなストーリー性や耽美性は影を潜めたが、基本にあるギャグ漫画としての一貫性は保っている。魔夜氏のギャグセンスの高さを示す例のひとつに、パタリロが「誰にも分からないモノマネ」をして、「それが誰なのか分からなくても、そういう人がいるんだなあと想像する事で笑いになるんだ」というような解説をするシーンがあるが、これなどは最近の「細かすぎて伝わらないモノマネ」の笑いそのもの。他にも「ボケの放置」や「意図的なギャグの繰り返し」、「ノリツッコミ」、掛け合いの絶妙な間やテンポの良さなど、どれも当時から現代でも通用するレベルに達している。

つまりそれだけ最初から漫画としてのギャグやオリジナリティが高いレベルで完成されている事の証左であり、だからこそこれだけ続いているのだろう。

それでいて作中に登場するメインキャラに至っては、パタリロ、バンコラン、マライヒ、タマネギ(部隊)の、事実上4キャラのみ。そこにゲストやサブキャラが入る程度なのに、これだけ長期に亘って飽きさせずに話を作れるというのが凄い。もはや「永遠のマンネリズム」を追求しても良い立場にある。

とにかく漫画として、笑いあり、涙あり、耽美あり、ミステリーあり、オカルトあり、SFあり、冒険ありと、良い意味で何でもありの稀代の傑作。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2008-03-12 23:13:49] [修正:2008-03-12 23:13:49]

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