ホーム > 不明 > ウィングス > フラワー・オブ・ライフ

8.11点(レビュー数:9人)

作者よしながふみ

巻数4巻 (完結)

連載誌ウィングス:2004年~ / 新書館

更新時刻 2009-11-25 00:44:25

あらすじ その日。オカマ風味な教師は、ハマり気味な恋にため息をついていた。でかい生徒は、夏にむけての資金繰りと週刊誌の萌え作品の休載に悩み、別の生徒は、水泳の授業が近づくのを憂えていた。学業以外のアレコレで、教室中の頭がいっぱいなその時、学業と学校生活に燃える、一ヵ月遅れの新入生がやってくる……! 「花園春太郎です! 俺????」。よしながふみの花咲けるハイスクール・ライフ、始業!

シェア
Check

フラワー・オブ・ライフのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全9 件

8点 kikiさん

しょっぱなは「え?これやっぱりゲイ漫画なの?」とパンチを
食らわせておいてあの展開…やられました。
そしてただの高校生の楽しい友情&青春物語と思ってたら、校庭の隅での
春太郎とシゲの遣り取りでグッときました。
よしながさんってホント人物描写や人間関係における気の遣い方を
描くのが上手いですよね。

色々なタイプの人がいて、様々な気の遣い方をして社会の人間関係が
成り立っている。それを全編を通して見事に描いていると思います。
いい大人になっても色々ハッとさせられました。
人間関係だけでなく、成長物語、晴れやかな青春、楽しい学園生活を
面白く描いてると思います。読みながら何回も笑っちゃいましたし。

楽しく読めて色々考えさせられて、読み終わって思わず「すごい!」
と呟いてしまった作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-11 00:21:21] [修正:2012-03-11 00:21:21] [このレビューのURL]

9点 booさん

 少年漫画は“特別”な一人に対する憧れを描き、少女漫画はありふれた日常を“特別”に描く。とは私が勝手に思っていることだけれど、多分大体において間違ってはいないと思う。
 フラワー・オブ・ライフのことを考えたとき、色んなところで言われるように、思い浮かぶのはやはり彼らの笑顔なのだ。フラワー・オブ・ライフはまさに人生の花を描ききった作品であって、少女漫画の一つの完成形にさえ思える。

 この作品において、彼らはすっごく青春を満喫している。楽しそうで、充実していて、こんな高校生活を送れたら…と願わない人はいないだろう。
 でもそこに不思議と嫌味や嫉妬の感情は浮かんでこない。これは「Papa told me」もそうだけれど、日常を楽しく見せてくれる漫画はしっかりとその裏にある努力を描いているから。フラワー・オブ・ライフでいうと、その努力とはとにかく“空気を読む”ということ。気を回しあって、みんなが一番幸せになる形を作ろうとしているのがしっかり伝わってくる。

 でもそれは決して良い子という意味ではないし、“幸せ”を型にはめようとしないのがよしながふみらしさ。例えば真島を見ればよく分かるように、彼にとってはクラスのみんなと打ち上げをしたりすることを望んではいないし、クラスのみんなも真島に参加して欲しいとは思っていない。じゃあどうするのか?…は読んで欲しいのでここには書かない。
 みんながみんな賞賛する方法ではないだろうけれど、私はこのエピソードが好きだった。全部を手に入れることは出来ないのだから、楽しく過ごすためにはそれなりの代価が必要なわけで。 

 2巻以降のクラス劇なんか本当に楽しいのよ。こっちまで笑って笑ってたまらないくらいに楽しい。でもそんな日常の楽しさを極めた一方、打って変わって最終巻では日常の貴重さが存分に描かれることになる。
 決して“普通”というのは絶対のものではないのだと言い切った時、フラワー・オブ・ライフは少女漫画の枠を超えた。雰囲気が変わるのに戸惑う人もいるだろうけれど、この最終巻があってこそ、それまでがさらに輝きを増すのだ。

 “普通”というのは成長においてもこの漫画の一つのキーワードになっている。成長とは強くなることか?それとも勇気を出せるようになることか?、少年漫画においてはそうかもしれない。
 フラワーオブ・ライフの高校生達も最終巻でそれぞれが確実に成長を見せる。でも彼らにとっての成長とは、自分が総体的には普通であると認めることだった。友人でも恋でも相手への感情と相手の自分への感情は決して等価ではないし、自分が本当に欲しいものが手に入るとは限らない。だからこそ自分の殻を破って人とつながれるようになるのだ。春太郎と真島が主軸であったにしろ、細かい所まで読み込むとほとんどのキャラクターにしっかりと見せ場と成長があったことが分かって素晴らしい(尾崎は知らない)。

 よしながふみは彼らの青春と成長を華々しく、そして繊細な描写で描ききった。真島の「滋?」はいつもポケットにショパンの「麻子はシチューが得意です」に並ぶ私の少女漫画の至言です。
 これ以降よしながふみが一般誌で連載を続けているのも、もはや少女漫画というフィールドで彼女がやれることはなくなってしまったということかもしれない。でもいつかさらに大きくなってホームに帰ってくるのを楽しみに待ってます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-21 00:30:23] [修正:2012-01-04 02:06:07] [このレビューのURL]

8点 cheBさん

若干、登場人物の服が高校生にしてはダサいのでそれが最初は気になりました。
特に、主人公のお姉さんがアパレル店員という設定だし、途中で
とっても素敵なメガネ女子の話があるので、(この話大好きです)
もし、服がもう少しよかったら、ますます話の良さが際立ったのでは
無いかと思いました。絵柄的にしょうがないのかな。

が、ストーリーに関してはどの話も本当に楽しくて、少しほろ苦くて、これが青春だ?!という感じがして面白かったです。
いまどきの「THE リア充」な高校生の話じゃなくて、たぶん進学校の
どちらかというとみんな真面目なよい子の話で、地味な子も
いるんですけど、そういう人にとっての「青春時代」をちゃんと書いていて
感動しました。
何回も読んでますけど、いつも楽しくてあったかい気持ちになれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-28 19:19:35] [修正:2011-11-28 19:19:35] [このレビューのURL]

8点 とろっちさん

The Flower Of Life. すなわち、「人生における最盛期」であり、「生涯で最良のひととき」。

漫画家を目指す男子高校生が主人公の、いわゆる学園もの。
その学園生活がものすごく瑞々しく描かれているんですが、それが実に楽しそう。
なぜそんなに楽しそうかと言えば、一つには登場人物同士がお互いを気遣い、心配りを忘れず、
空気を読み合うことによって生まれるユートピアのような雰囲気が心地良すぎるから。
ありそうであり得ない理想郷の風景なのかもしれないですが、この作品が現役高校生ではなく
かつて高校生だった人向けに描かれていることを考えれば、何となく納得がいきます。
心の中にある「理想の学校生活」ってこんな感じなのかもしれないですね。

BLばかり描いてる作家だと思って何となく避けていたよしながふみ作品で、最初に読んだのがこれ。
で、「あれ、この人すごくね?」という印象を抱かされ、その後よしなが作品を読み漁ることに。

そのぐらいに作者の上手さを感じる作品でありました。
何気ない日常を良質のエピソードに昇華させて描かれる1巻から3巻まで、
そして、登場人物の性格付けのための単なる設定だと思っていたある事柄を伏線として大胆に活用し、
その他諸々のドラマティックな展開と併せて見事にまとめ切った最終巻。

何て言うか、読後の爽快感がたまらない作品です。
あんなに登場人物たちが泣きじゃくり、思い悩み、ヘコんだりしているのに、
この作品を思い返したとき頭によぎるのは登場人物の笑顔と和やかさなんですよね。
その辺が作者の上手さであり、優しさなのでしょう。
登場人物みんなそれぞれの「フラワー・オブ・ライフ」には、やっぱり笑顔が似合うでしょ、っていう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-28 01:28:26] [修正:2011-02-28 01:29:12] [このレビューのURL]

8点 suzuさん

もう一度高校生したいなぁーっと思わせてくれる良作です。作者の作品の中で他者にお勧めするならばこれか「愛すべき娘たち」をまず勧めるでしょう。
最終話ですべて他者に明け透けであった春太郎が初めて自分から他者に対し秘密を持つという話の流れ、さすがだと思います。しかし、やはり女性作者ということもあって、現実の男子高校生の思考&生活とはちょっとズレがあるかなとも思いましたが、それでもとても良い漫画であることには変わりはないでしょう。
三国翔太君がとても可愛いです(笑)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-28 06:26:10] [修正:2011-01-28 06:26:10] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
12

フラワー・オブ・ライフと同じ作者の漫画

よしながふみの情報をもっと見る

同年代の漫画

該当なし

ウィングスの情報をもっと見る