【激選】10巻以内完結の名作神漫画!

2013-01-02 kazu0620

あけましておめでとうございます!気がつけばお正月休みも残りわずか。お雑煮も食べ終わって、手持ち無沙汰でゴロゴロしてたりしませんか?そこで、漫画レビュー.comで好評価だった漫画の中から「10巻以内完結」のサクっと読み終わるものだけをセレクトしてみました。どれも名作中の名作、「神漫画」ばかりなのでもしも未読のものがあれば残りのお正月休みを使って読破してみては!?

プラネテス (全4巻)

2070年代。今よりもずっと宇宙が身近になってはいるけど、日常的に人々が宇宙に行くってほどではない近未来。宇宙開発が進む中で主人公ハチマキは「デブリ」と呼ばれる衛生軌道上に浮遊するゴミの回収作業を仕事としている。ハチマキや周囲の人間が抱く宇宙開発への夢と希望、そして旧態依然として残る貧困や宗教、人々の対立といった問題、その両面を描く。

これがデビュー作というのがスゴイ!急速度で作者が成長していく様子が見て取れる。青臭くアツく宇宙開発に携わることを目指す序盤、宗教問題や宇宙に対する独自の哲学が展開される後半、同一作品内で雰囲気が変わっているがどちらもメチャクチャ面白く、1作品で2度おいしい。

漫画レビュー.comでの評価 7.58点(10点満点)

アドルフに告ぐ (全4巻)

もしもアドルフ・ヒットラーがユダヤ人の血を引いていたら・・・?少年自体を日本で過ごしている、ドイツ人とユダヤ人の少年。ドイツ人であるカウフマンは国粋主義者としての教育を受け、ナチスで親衛隊としての道を突き進む。他方、ユダヤ人でカミルは日本で暮らしながら迫害から逃れるが・・・。やがて歴史的な悲劇が彼らの友情を引き裂く。アドルフ・ヒットラーの出生に関する機密文章を巡り翻弄されて行く人々の数奇な運命を描いた大河作品。

神様・手塚治虫によって描かれる、たった4冊とは思えないほど濃密な大河作品。戦前の少年時代から戦中・戦後に至るまで複雑に運命が絡み合う人間たちの物語を描いた、骨太の大河。多分、今のジャンプで連載したら50冊くらいかかる内容がたった4冊にまとまっているのでハンパないお得感がある。

漫画レビュー.comでの評価 7.53点(10点満点)

花男 (全4巻)

成績優秀で要領のいいクールな小学生、茂雄。成績表はオール5、夏休みは塾通いでさらなる成績アップを狙う。はずが、彼の母は茂雄に夏休みの間だけ父親と共に暮らすことを提案する。彼が幼かった頃、巨人軍に入団するという壮大な夢のために彼と母を捨てた父親。嫌がる息子に、教科書に書いてあることだけが勉強ではないと母は諭す。かくして、大人びた小学生と少年のような中年の奇妙な共同生活が始まる。

リアリストな秀才小学生、茂雄。一方、その父親は30を過ぎているにも関わらず「読売巨人軍」入団を目指すドリーマー。いや、ドリーマーというかただの無職。だが父親を嫌っていた茂雄も、いつしか父親のあまりのアツさと本気っぷりに少しずつ感化されて行く。果たして父親の読売巨人軍入団は成るのか?奇跡は起こるのか?松本大洋が贈る現代の「おとぎばなし」!心がほっこりすること間違いなし。

漫画レビュー.comでの評価 7.33点(10点満点)

風の谷のナウシカ (全7巻)

腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアと土鬼(ドルク)の領土紛争に巻き込まれる。風の谷の族長の娘である風使いの少女ナウシカは、トルメキアの皇女クシャナ率いる部隊に従軍して戦地に赴き、戦乱の中で様々な人達と出会う。腐海誕生の秘密、伝説の巨神兵の復活、土鬼の聖都シュワに隠された謎…ナウシカは自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして人類と自然の共生の道を探っていく。(wikipediaより)

あまりにも有名な作品の漫画版。ここで伝えておきたいのは、映画版のナウシカの物語は途中まででしかないということです!親子で見れる映画版とは打って変わって、漫画版は大人のための骨太で陰のある物語。完全な形で復活する巨神兵、再び起ころうとする大海嘯 、そして明らかになるあまりにも残酷な真実とは・・・?

漫画レビュー.comでの評価 8.25点(10点満点)

ぼくんち (全3巻)

「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」
ある日突然「ぼく」は母に捨てられ、腹違いの兄と、突如戻って来た姉との3人での暮らしが始まる。売春して生活費を稼ぐ姉、ドラッグから抜け出せない近所のオッサン、暴力で金を稼ぐ悪ガキ達。貧困が生み出すあらゆる惨劇の中、それでも逞しくあっけらかんと生きる人々の日常を描いた物語。

一見、絵柄からほのぼのとした日常系漫画み見える。が、全くほのぼのとはしていない。1話2ページ完結の純文学。流石にまさか日本でここまで悲惨な環境は存在しなかったと思いたい。 ってくらい「ぼくんち」の周りの環境は悲惨。それでもみんなあっけらかんと、ささやかな幸せを目指しながら生きていく。 救いようがない話の連続で胸が詰まりながら、 でも心が暖かくなる。 最底辺の環境を見せ続けられるのに、 なんで人間ってこんなに素晴らしいんだ!って思わされる。 人生に疲れたとき読むと、もうちょっとがんばろ!って元気をもらえる漫画。

漫画レビュー.comでの評価 7.72点(10点満点)

レベルE (全3巻)

高校進学に伴って山形で一人暮らしを始めることになった筒井雪隆は、引っ越したその日に自分より先に自分の部屋で勝手に生活している記憶喪失の宇宙人を自称する男に出会う。追い出そうとする雪隆だが、男に言いくるめられ、結局彼を同居させた上、宇宙人であることも認めざるを得なくなってしまう。落ち着く間もなく雪隆の周りに男をめぐって、人間の宇宙人研究機関員、宇宙からやって来た男を王子と呼ぶ護衛達、さらには山形周辺を縄張りとする好戦的な宇宙戦闘民族ディスクン星人まで動き出し、風雲急を告げ始める。(wikipediaより)

冨樫義博が珍しく本気を出して好き勝手に書いた作品。幽々白書やハンターハンターの陰に隠れているが、未読なら今すぐ読む価値アリ。オムニバス形式でエイリアンをテーマとした中編が複数収録されているが、どれもこれも(いい意味で)期待を裏切られる展開を見せられる珠玉の名作達。富樫作品のダークでブラックでシニカルな魅力が3冊の中に濃厚に圧縮されてる!

漫画レビュー.comでの評価 8.03点(10点満点)

寄生獣 (全10巻)

ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そっくりに擬態する、彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。平凡な高校生である泉新一は、一匹のパラサイトの襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう・・・。(wikipediaより)

凶悪な地球外生命体と戦う話か・・・!?と思いきや完全に予想外。いい意味で予想を裏切られる漫画。序盤こそ、生理的欲求のみから人間を補食していた寄生生物だが、彼らも徐々に社会性を身につけていく。一方、彼らの存在に気付き始めた人間側は・・・。毎巻先が読めない展開で、エンターテイメントとしても超一流!その上、読後は環境問題、地球での人間の立ち位置、他の生物との共生とは?などの余韻を否が応でも残されるまさに名作漫画。

漫画レビュー.comでの評価 8.81点(10点満点)

花田少年史 (全5巻)

近所でも有名な腕白小僧、花田一路は悪戯を叱る母親から逃げようと道路に飛び出し、車にはねられてしまう。後頭部を9針縫いながらも、奇跡的に助かった一路であったが、これ以降なぜか幽霊が見え、会話の出来る「コワい能力」を得てしまった。そして様々なオバケ達が生前の未練や願いを果たして欲しいと、一路の元を訪れて無理難題を押し付けてくるようになり・・・(wikipediaより)

舞台は戦後間もない頃の田舎町。そこで、突然幽霊が見えるようになった花田少年はは幽霊のお願いを叶えるために奔走する。ノスタルジー溢れる情景の中、こども達やオジサン・オバサンからおじいちゃん・おばあちゃんまで、人情味に溢れるいろんな世代のいろんな人々を人情味たっぷりに描く。懐かしくて、楽しくて、ほろりと泣けてしまう。壮大な物語なんかじゃないんけど、どこか心に琴線に触れて泣けるエピソードが見つかる、そんな漫画。

漫画レビュー.comでの評価 7.42点(10点満点)

ヒミズ (全4巻)

ごく平凡な生活を送ることを夢見る中学生・住田祐一。ところがある日、かつて蒸発するも突如戻って来た父親からの虐待と、母親が中年男と駆け落ちして失踪したことを機に天涯孤独の身となり、それに耐え兼ね父親を殺害するという取り返しのつかない事態に陥る。住田は普通の人生を送ることを諦め、「悪い奴」を殺すべく、夜の街を徘徊するようになる。(wikipediaより)

新年早々、陰鬱な漫画を読みたいならコレだ!自分が「普通」であると思っていて普通に生きていたつもりが、いつの間にが思いっきり道を踏み外す住田くん。さらに勘違いした住田くん、なぜか世のために「悪い奴」を探して殺すことによって少しでも世のためになることをしようと頑張ってしまう。まさに現代版罪と罰!

漫画レビュー.comでの評価 7.1点(10点満点)

漂流教室 (全5巻)

高松翔は、大和小学校の6年生。ある日、授業中に小学校が激しい地震に襲われる。揺れはすぐに収まったが、学校の外は岩と砂漠だけの荒れ果てた大地になってしまっている。突然の出来事に皆パニックに陥り、発狂した教師は全員亡くなってしまう。やがて荒廃した世界の正体は滅んだ未来の世界だと知った子供達は互いに協力し、大和小学校を拠点とした「国」を築くことを決意する。(wikipediaより)

突如として学校ごと荒れ果てた大地に送り込まれてしまった小学生達が、荒野の中で生き延びて行く物語。飢え、内部対立、宗教紛争、ペストの蔓延、怪虫との戦い。次々と降り掛かるあらゆる厄災と戦う小学生たち。極限状況の中で、勇気を出し奮い立つ姿が、団結して戦う姿が、絶望の中で発狂する姿が、それでも希望を追う姿が、我々の胸を打つ!奇才・楳図かずおによって描かれたパニック・ホラー漫画の金字塔。

漫画レビュー.comでの評価 7.65点(10点満点)

キーチ! (全9巻)

幼稚園児の染谷輝一は、無口できかん坊、友達にいじめられても、泣かずに殴りかかるような乱暴者で、周囲から恐れられていた。母は輝一の所業に謝りどおしで、一方の子煩悩な父は息子の成長をビデオに収め、顔が緩みっぱなし。親子3人は、普通に日常を暮らしていた。しかしある日、通り魔にその両親を突然殺される。父側と母側の祖父母は親を突然に失った輝一と暮らし始めるが、その矢先に輝一は家を飛び出してホームレスの中年女性「モモ」に拾われる。(wikipediaより)

カリスマはいかにして育つか?をテーマとし、幼稚園児編から後のカリスマとなる少年の成長を描いた物語。突如失われる両親、ホームレスとの共同生活、山中での自給自足の生活などを通し、少年輝一は圧倒的なカリスマと独自の哲学を身につけていく。幼年編に続く小学生編では、相棒であり参謀である甲斐慶一郎と出会いさらにスケールは加速する。甲斐の権力側との駆け引き、マスコミを用いた人心掌握、そしてキーチの圧倒的な存在感とカリスマ。小学生てレベルじゃねえ!さらにキーチに続き大人になった二人を描いた続編「キーチVS」も要チェック!

漫画レビュー.comでの評価 7.71点(10点満点)

BLAME! (全10巻)

世界は高度に発達したネットワークと、それを支え、現実世界に反映する超構造体によって構成されている。テクノロジーの恩恵を受けて繁栄した人類であるが、災厄によりネットワークにアクセスする資格と能力を失ってしまう。支配者がいないAIは管理規定にのっとり資格を持たない人間を排斥し続ける。際限なく拡張を続けられた超構造体はその惑星系すら内部に取り込んでしまう。人々は繁栄の記憶を忘れ、管理システムの目を盗むようにして短い生を生きる。(wikipediaより)

ガチ硬派SF漫画。女子供はお断り。人の手を離れ無秩序に構築され続ける都市、圧倒的な重厚感を持って描かれる都市群、人間を排泄するAIたち。恐ろしく緻密に世界観は練られているが、それが読者に言葉で説明されることはない。断片的に描かれるシーンから読者はその世界を類推することのみが許される。「重力子放射線射出装置」、「珪素生物」、「超構造体」、「東亜重工」・・・。こういう言葉にグッとくる方は、今すぐ購入しても損をしないはず。

漫画レビュー.comでの評価 7.06点(10点満点)

銭ゲバ (全2巻)

蒲郡風太郎は幼少の頃から左目に醜い傷が有った。父親は最低のろくでなし、母親は気だては良いが病弱。それゆえ家庭は極貧で、ときには5円の金も無いほどであった。貧しいながらも懸命に生きてきた風太郎にとって、心の支えとなっていたのは、母親と風太郎に優しく接する近所の青年であった。しかし、治療費が払えない母は病死、自暴自棄になった風太郎は盗みに走り、それを咎めた青年を手にかけてしまう。(wikipediaより)

銭のためなら、殺人含めて何でもする主人公。銭のために罪を重ね、その罪がまた新しい罪を生み出す。それでも銭のために邁進する主人公・蒲郡だが、巨万の富を得てもなお彼の乾きが収まることはない。銭がないと生きては行けぬが、銭だけですべてを満たすことは・・・出来ないのか?極論ではあるが、「銭」という切り口から人間を、社会を、えげつなくそれでいて人間臭く描ききった衝撃作。

漫画レビュー.comでの評価 8.45点(10点満点)

蟲師 (全10巻)

「蟲」とは、現実世界の概念では精霊や幽霊や妖怪などにあたる生物で、作者はいろいろな怪異を、普通の人には見えないさまざまな「蟲」の生命の営みから起こる現象とし、霊能力者を「蟲師」(むしし)という「蟲」専門の医者かつ研究者、退治者とすることで、これまでに存在した怪談や霊現象を取り扱った物語とは異なったストーリーを創り出している。本作は、「蟲師」である主人公ギンコが「蟲」により引き起こされる様々な謎を解き明かしていく物語である。(wikipediaより)

妖怪のような精霊のような蟲という存在によってもたらされる問題を、蟲師である主人公ギンコが解決していく物語。不思議な蟲たちがうごめく中世の日本のよう(で微妙に違う)な舞台は、幻想的でかつ懐かしい感覚を覚える。どのエピソードも、心が温かくなったり、寂しくなったり、懐かしくなったり、何かしら揺さぶられる。その世界観や不思議な設定は、読み続けているとまるで白昼夢を見ているような感覚になる。

漫画レビュー.comでの評価 7.11点(10点満点)

七夕の国 (全3巻)

物体に小さな穴を開けることができるという特殊能力を持つ大学生、南丸洋二。一見、何の役にも立たない能力だが・・・。突如失踪した彼の大学の教授、丸神正美もまた同じ能力を持っていることが判明する。そして、南丸家と丸神家のルールである丸神の里には、はるか昔から「窓の外を見る者」と「手が届く者」と呼ばれる一種の超能力を有した住民がいることが明らかになる。極力外部との接触を避け、伝統を守り続けてきた丸神の里の歪な歴史とその真実とは・・・?

寄生獣で有名な岩明均による本格SF作品。伏線の張り方と回収が秀逸!物語が進むにつれて、徐々に全体像が明らかになってゆくと同時に物語が同時に加速していき、ページを次々とめくってしまう!4巻完結ということもあり、次の展開が気になってあっという間に読破してしまうこと間違いナシ。

漫画レビュー.comでの評価 7.02点(10点満点)

AKIRA (全6巻)

2019年。超高層ビルが林立する新首都「ネオ東京」が建設されており、その繁栄は爛熟の極に達していた。いまだ再建されていない「旧市街」でも2020年の東京オリンピック開催を機に再開発工事が進められようとしていた。金田率いる暴走族の少年たちは、ネオ東京の外の旧市街へと続く遺棄されたハイウェイに入り込んで疾走していたが、「爆心地」付近でメンバーの島鉄雄のバイクの前に突然白髪の少年が出現したため、鉄雄は事故を起こし重傷を負ってしまう。(wikipediaより)

80年代、日本漫画の表現スタイルを変えてしまったと言われるほどの画力を持つ大友克洋。彼が描く近未来都市ネオ・トーキョー、そこを駆け抜ける奇抜なデザインのバイク達。それだけでもカッコ良すぎるのにさらに、そこで起こるクーデータ、ぶっ壊れる巨大な街、広がる廃墟、勃興するカルト宗教、新たに建設される大東京帝國、超能力バトル!もはやその世界観と画力の前に、ただただ圧倒されること間違いなし!

漫画レビュー.comでの評価 7.6点(10点満点)

ピンポン (全5巻)

ペコとスマイルの、片瀬高校卓球部に所属する幼馴染の二人が主人公。ペコは卓球は強いが、自分の才能に自惚れているところがあり、先輩に対しても挑発的である。スマイルは、決して笑わないことからペコが「スマイル」と命名した。内気で無口だが、卓球は強い。二人は噂の中国人留学生を迎えた辻堂学園高校卓球部の偵察に出かけ、留学生のチャイナと対面する。(wikipediaより)

松本大洋が描く、熱血卓球漫画。松本大洋は、ややもすると「雰囲気系」な漫画を書く作家だと思われがちなところがあるがこのピンポンを読めばそれは的外れは批評だということがわかる。しっかりとしたドラマがあり、キャラクターがおり、物語がある。メインのキャラクターたちはみな、クセと独特の魅力があり、カッコ良さに痺れる。また、独自の描写や言い回しの中描かれる疾走感に溢れた試合シーンにも圧巻される。

漫画レビュー.comでの評価 8.27点(10点満点)

魔女 (全5巻)

『わたしは“世界の秘密”を手に入れた』
嘗ての想い人への呪怨。
恋人を殺めた者への復讐。
深く想いがつのるとき、心に潜む「魔女」が目を醒ます――
強く、儚く、螺旋を描く満たされぬ想い。そして人々は未知なるものを求め、魂の世界へと誘われゆく…。幻想と恐怖が、大いなるイマジネーションによって解き放たれる連作短編(漫画レビュー.comより)

「魔女」をテーマとした五十嵐大輔の中編・短編作品がオムニバス形式で綴られている作品。五十嵐大輔という作家が持つ生命、感性への畏敬の念が圧倒的な筆力を持ってページから伝わる。論理ではなく、感性で読むべき漫画。考えることだけではなく、自らの五感を持って感じることの重要性を作中通して圧倒させられながら伝えられる。なお、余談ではあるがこの作品の執筆前の一時期、五十嵐大輔は農家で自給自足の生活をしていたらしい。

漫画レビュー.comでの評価 7.75点(10点満点)