あらすじ
「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」。
腹違いの兄、一太。突然現れた、美しくてやさしい年の離れた姉、神子(かのこ)。そして「ぼく」、二太。
クスリを売る。体を売る。金を貸す。とりたてる。この町の多くの大人たちは、そんなふうにして生きている。
神子ねえちゃんは言う。「泣いたらハラがふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええ!!」。ヤク中の父を亡くしたばかりの少女は、うまく泣くことさえできずに、不思議そうにこう言う。「息するたびにな、ノドの奥に小石みたいのがたまるんよ。食い物の味わからへん」。むき出しの現実を見ながら、幼い心にいくつもの決意を刻んで「ぼく」は成長していく。
ぼくんちのレビュー
4点 punpeeさん
漫画好きの友人に薦められ、一気読みしました。
その後、このサイトを見た時に、賛否両論あるんだという事に驚きました。
極貧で劣悪な地域で生まれ育った少年少女(一部大人)達の生活を切り取った話。
しかし、登場人物たちは凄く前向きで、生き抜くためには犯罪も厭わない処世術でたくましく生活しており、ポップな絵柄も相まってか、悲愴感は感じられません。
一応、今までに3回読みましたが、上記の感想以上も以下も無く、心に大きく残るものはありませんでした。
この作品に出てくる大人達の自分勝手さ、駄目さ加減に多少の不快感を抱いてしまったり、ギャグテイストな絵柄が脳にフィルターを掛け、そこまで重く、深読み出来ませんでした。
第一、血や死や裏切り等、こんなにも暴力に溢れた作品をギャグテイストで描く作者の意図も理解できず、私にとっては少し気持ち悪い作品でした。
この作品に強く心が動くという方は、突出して隣人愛が強いor想像力が豊かなのではないかと思います。
私は心が冷えがちなのと、DQNに対して潔癖な所があるので、感情移入は出来ませんでした。。。
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[投稿:2016-12-05 21:51:34] [修正:2016-12-05 21:51:34] [このレビューのURL]
9点 ぴかちゅうさん
作品のタッチやタイトルから
あたしんちのようなほのぼのとした
作品だと思い込んでいたら全然違いました。
ぼくんちは客観的にみたら不幸せ
そうな家庭です。
でもキャラクター達はとてもイキイキしている。
いろんな幸せの形があるんだろうな
と思わせる作品。是非一読を^^
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[投稿:2013-02-05 08:46:24] [修正:2013-02-05 08:46:24] [このレビューのURL]
7点 勾玉さん
一話一話がたった2ページと短く、単独では大したことの無い話も多い。
しかし読み進めていくうちに、絵日記のように淡々と綴られていく
暴力的で、下品で、非道徳的な日常の数々が、
そこに生きる人々の力強さや逞しさ、そして儚さを惹きたてていて
段々と自分の中で鮮烈な印象として残っていった。
そしてラスト。
二太の最後の台詞で、姉ちゃんの言葉が思い起こされる
「泣いたら腹が膨れるかあ。泣いてる暇があったら笑ええっ!!。」
最後に見せる二太の笑顔は
とても切なくそれでいて晴れ晴れとしていて、感慨深い。
好みの分かれる漫画なのは確かだけど、一読に値する作品だと思う。
読むなら、カラー版がおすすめ
白黒の方は味気無くて、心に残りにくい気がする。
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[投稿:2012-05-28 22:07:51] [修正:2012-11-10 22:46:36] [このレビューのURL]
9点 booさん
大人の絵本。
別に悪い意味で言っているのではなく、それだけの叙情性を持った作品であるということ。子どもの頃に読んだ良質な物語と同様、心の奥にうったえかけられるものがこの漫画にはある。
最初読んだときは何がおもしろいのか分からなかった、でももう一回読みたくなった。やはりおもしろさは分からないのだけれど、何度も何度も忘れた頃にまた読みたくなった。
劣悪な環境の中でもなんとか笑って生きようとする彼らの生き様や悲哀といったものが私の心の中にできたしこりのように私の中に残ったのかもしれない。棘みたいに深く刺さって。
絵は下手だし、全体を通してこれだ!と推せるようなエピソードがあるわけでもない。でも何か深い所から私達の心を動かせるような力を持つ奇跡的な作品。
そもそも漫画と言っていいのか分からないので8点にしとこうと思ったのだが、それだけ心に残った作品ということで9点で。
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[投稿:2011-07-14 10:51:16] [修正:2011-07-14 11:05:09] [このレビューのURL]
6点 columbo87さん
西原の感動路線漫画。へたくそな絵が素朴さを感じさせるのか、ゆんぼ君といい不思議な所があります。
感動路線とはいえ西原独特の毒があり、作者のユーモアと心の闇とを感じさせてくれる作品。飾り気の無い人たちや汚い田舎の風景はどこか心に来るものがある。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-06-04 09:36:43] [修正:2011-06-04 09:36:43] [このレビューのURL]
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