7点(レビュー数:1人)
作者フランク・ミラー
原作フランク・ミラー
巻数1巻 (完結)
連載誌DC Comics:2001年~ / 小学館集英社プロダクション
更新時刻 2011-09-02 18:17:41
あらすじ
ダークナイト・リターンズの続編にあたるエピソード。
平和と繁栄の絶頂期にあったアメリカは実は密かに犯罪者によって影で支配されていた。そんな政府に対し、地下に潜入していたバットマンと仲間のスーパーヒーローたちはテロを開始する。
(wikipediaより)
備考
カラーリングはリン・ヴァーリィ。
前編「バットマン:ダークナイト・リターンズ」も併せて収録された完全版『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』が2009年にSHO-PRO BOOKSから刊行された。
バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲインのレビュー
7点 booさん
フランク・ミラーが手がけるダークナイト・リターンズの続編、ダークナイト・ストライクス・アゲイン。
DKRが非常に完成度の高い作品なのでいったいどうなるのかと思えば…いやはやとんでもない。ミラーさん好き勝手やってるぜ笑。
実はアメリカはスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーに影で牛耳られていた。大統領さえルーサーが作り出したホログラム。
バットマンは囚われた仲間を救い出し、地下からアメリカに対して反旗を翻す。
とまあヒーローが敵に支配されたアメリカとはいえテロを起こしちゃうわけだからそれだけでもけっこうパンクな内容。それに加えてミラーさん、色々とめちゃくちゃなことをやらかしてます。
だってアメリカの電気料金が安いのはフラッシュ(超高速の能力を持つヒーロー)がネズミよろしく走って車輪を回すことで大量に発電しているからだったり、グリーンランタンが姿を変えて異星人と結婚していたり、おいおい大丈夫か?笑っていう展開が盛りだくさん。
正直けっこう笑ったんだけど、ここらは原書で未邦訳の作品を読んでたりと熱心なファンの人はより楽しめるんだろうと思う。
物語としてはフランク・ミラーの「衝動」や「怒り」が刺激的に楽しめるものの、悪く言えば暴走気味、破綻気味なのでわりと否定的な意見が多い作品な気がする。私はけっこう好きだけど。
細部がかなりブラックで何気に興味深い。アメリカに従うスーパーマンは、そのアメリカが悪に乗っ取られたらどうするのか。グリーンランタンにしろ何じゃありゃとは思いつつも背筋が冷える部分もあったりする。強烈な皮肉とブラックジョーク。
何より色んなDCコミックのヒーローが登場するのでそこが1番好きだったり。基本的に邦訳されるのは知名度のあるバットマンやスーパーマンが中心で、最近ようやく映画化でグリーンランタンがそこそこ邦訳され始めたかなというくらい。
他のヒーローに関してはこれやキングダム・カムあたりのクロスオーバー系やジャスティス・リーグ系の作品でしかほぼ見れないからね。フラッシュやアトムあたりは単体での作品も見てみたいな。
ミラーの暴走に笑いつつ、そのブラックな要素に刺激を感じつつ、色んなヒーローを楽しめるこのDK2、なかなかおすすめしがたいです。正確に言うと、ある程度DC社のアメコミを読んできた人が読むと楽しめる作品ってこと。私もまだまだ。
今は小プロからDKRとDK2がセットの完全版が出てるので一緒に読んでもいいのだけど、バットマンしか読んでなかったりすると間違いなくぽかんとなります。少なくとも私はそうだった笑。
でもアメコミにはまっていくほどにDK2もより楽しめるようになっていくと思う。そういう意味で気にせず読んでもいい。それもまた一興。
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[投稿:2011-09-19 15:21:29] [修正:2011-09-20 00:35:06] [このレビューのURL]